揃って『鬼滅』にハマる…レスリング川井梨紗子・友香子が目指す「2人で金」 最強の姉妹が最高の笑顔へ

　女子レスリングの川井梨紗子選手（26）と、妹の友香子選手（23）。姉妹で金メダルを目指す”最強の姉妹”です。石川県出身の川井姉妹の両親は、共にレスリングの選手。姉の梨紗子選手は両親の勧めもあり、小学2年生で母親のレスリング道場に入門。中学3年生の時、全国中学選手権で優勝しました。

　その後、至学館大学に入学。日本一に駆け上がった梨紗子選手ですが、二度目のオリンピック出場には高い壁がありました。

　前回のオリンピックでは、伊調選手と直接対決を避けるため、階級を変えた梨紗子選手でしたが、今回は同じ階級で一騎打ち。見事勝利をおさめ、東京オリンピック代表の座を勝ち取りました。

梨紗子選手:
「本当は4年前のリオの時に、馨さんに勝って出たい気持ちはあったんですけど、それをいったん抑えて階級変えて出たんです」

　憧れの伊調馨選手に勝ちたい。その思いを原動力にここまできました。そして梨紗子選手にとって、もう1人大きな存在。それは2019年に引退した吉田沙保里さんです。

梨紗子選手:
「沙保里さんは、いつも一緒に練習している。何かあったら沙保里さんがどうしているか見て盗むことができる」

　そんな身近な存在だという吉田沙保里さんには、今でも悩んだ時に相談しているといいます。

梨紗子選手:
「自分が調子がよくないってモヤモヤした時期、沙保里さんにLINEしてみたら『切り替えること。ダメな時はダメだから、ダメなことばかりに目を向けるんじゃなくて、いい方に考えないといけない』と」

　近くにいる偉大な先輩は、いつでも心の支えです。

■姉の背中を追った運動嫌いだった妹…「あと1点」から這い上がり掴んだ東京五輪

　オリンピック初出場を決めた妹の友香子選手は、元々レスリングに興味がありませんでした。

友香子選手:
「運動が嫌いだったので、ずっとやりたくないと言っていて…」

　しかし、ちびっこチームのコーチをしていた母親が試合の度に不在になるのが寂しく、結局自らもレスリングを始めました。

　今も運動はレスリング以外何もできないと話す友香子選手。3才年上の姉、梨紗子選手の背中を追って、至学館大学に入学。至学館の寮の部屋は、レスリングの世界チャンピオンの名前がついており、友香子選手は、もちろん姉の『梨紗子部屋』に入寮しました。

　姉と同じく、友香子選手も大きな壁を越えました。3年前の全日本選抜選手権。姉から譲り受けた63キロ級で決勝に挑んだ友香子選手。しかし、あと1点が奪えず敗戦。試合後、人目をはばからず涙しました。

友香子選手:
「あの時は、あの時の自分なりに今できることを、全部やってきたと思って出た大会で、負けてしまったので」

　這い上がった友香子選手。2019年の世界選手権で3位に入賞し、東京オリンピックの切符を勝ち取りました。

■ハマっているのも共に「鬼滅の刃」…梨紗子選手に勧めたのは同じ金メダリストの土性選手

　川井梨紗子選手と友香子選手に「今ハマっていること」を聞くと、2人が答えたのは同じ『鬼滅の刃』。

梨紗子選手:
「私は煉獄さんが好きですね。映画の影響です。映画3回見に行ったんですよ。3回とも泣いて」

　コミックはシリーズ累計1億部を超え、公開された映画も大ヒットの「鬼滅の刃」。梨紗子選手もインスタでたびたび「鬼滅の刃」の話題をアップ、愛犬きなこにも、禰豆子の衣装を着せました。

　普段あまりマンガやアニメは見ない梨紗子選手でしたが、自粛期間中にマンガ好きの土性沙羅選手から借りたのが「鬼滅の刃」でした。読んでみて「なんだこれは」と驚き、自ら全巻購入するほどハマったそうです。

　友香子選手が好きなのは蟲柱・胡蝶しのぶ。

友香子選手:
「私もマンガそんなに読まないタイプなんですけど、珍しく梨紗子が『これ読んで』と勧めてきたので。見たら本当に面白くて、ハマりました」

■今後の目標は「姉妹で金」…最強姉妹は夢の舞台で最高の笑顔を目指す

　最後に2人に今後の目標を聞くと、梨紗子選手、友香子選手共に「姉妹で金」。

梨紗子選手:
「姉妹で金はずっと言ってきていたことなので。それを叶える場所が東京オリンピック。2人で金の時は倍嬉しいのかなと」

友香子選手:
「何年も前からずっと言ってきていて、まだ世界の大会で一緒に金メダルはないので。それを一番最高の舞台で達成したい」

　“姉妹で金”。その時、最強の姉妹の最高の笑顔が見られるかもしれません。