名古屋市長選挙まであと1か月余り。まだ市長選への態度を表明していない河村たかし市長は出馬するのか、しないのか。その去就に注目が集まっています。
河村市長:
「(私が署名活動の)中心人物だったか証明しろ」
共産党の江上市議:
「それは発言者が立証するんだ」
河村市長:
「それは私に聞かなあかんですよ」
連日、名古屋市議会で批判にさらされている河村市長。署名偽造事件へと発展した大村知事のリコール運動を支援し、議会側はその責任を追及しています。
公明党の田辺市議:
「署名偽造の疑惑発覚後に、市長ご自身が真相究明のために何をなされたのか、そして何が明らかになったのか」
河村市長:
「初めから謝ってばっかというのも…。とにかく事態の真相究明がどうしても重要ということで、そちらをまず徹底的にやろうと」
共産党の江上市議:
「不正署名となった経過を、徹底解明する責任があるのではありませんか」
名古屋民主の鵜飼市議:
「新型コロナ感染症が拡大する中で、市民の命を守る最前線に立たなければならない市長という立場にありながら、その本分をおろそかにしての行動と言われても、反論できないのではないでしょうか」
自民党の横井市議:
「これでもなお河村市長は、リコール運動の中心人物ではないと主張し続けるのか」
河村市長:
「中心人物であったかどうかということですけど、熱心に応援させていただいたことは事実でございます」
防戦一方の河村市長。署名偽造事件について自身は無関係で、かつ独自の調査を進めているとしていますが、警察が捜査に入っていることを理由に、まだ詳らかな説明はしていません。
美容外科「高須クリニック」の高須院長が主導した大村知事へのリコール運動に、積極的な支援をした河村市長。
しかし、選管に提出された署名の8割以上に無効の疑いがあるとされ、アルバイトが署名を大量に偽造した疑惑が浮上。
地方自治法違反の疑いで愛知県警が捜査に乗り出す事態に発展しています。
4月の市長選を見据え「署名偽造事件」を政局に結びつけようと、議会側は河村市長への攻勢を強めています。
市民税減税や年800万円の市長給与など、世間の注目を集める施策を打ち出し「劇場型」の政治手法で支持を得てきた河村市長。
4期目を目指すか、未だ態度を明らかにしていません。
自民党などは対立候補の擁立を目指していますが、「モンスター」の異名をとるほど選挙に強い河村市長が相手では分が悪いと尻込みする声ばかりで、難航しているのが実情。
リコール運動を巡る河村市長への批判や追及ですが、仕掛けた側でもその効果を測りかねています。
<自民党のベテラン市議>
「正直困っている。河村市長の人気を落とせば(候補者が)出てくれるのかなと思うけど」
この『リコール政局』とも呼べる現状に市民は…。
60代女性:
「署名のことで話題にもなっていますけれど、ずっと頑張ってやってらっしゃったので、河村さんがまた続投されるのが、わかってらっしゃる方が続けてやったほうがいいかなと」
70代男性:
「ダメだね、あれは。言っとることが支離滅裂だもん。最近悪くなったんじゃない?」
70代女性:
「ご自身が手を突っ込まないにしても、運動されたことは事実なんだから、署名活動の応援をされたことは。なので全くノータッチということにはできないわけですよね。ここらで変わってもいいんじゃない」
これまで、4月の名古屋市長選に出馬を表明したのは、政治団体の共同代表を務める尾形慶子氏だけで、未だ構図が定まっていません。
河村市長に直接胸の内を尋ねると…。
Q.次の市長選に出ますか?
河村市長:
「まぁちょっと、考えさせてちょうと。1つは孫のお守りに専念すると。72歳だでねワシ、言っときますけど。もう1つは市長選に出ずに、衆議院選に出てそっちの道を歩む。もう1つは市長選に出て、市長を熱心にやると言っても1期かそこらだと思いますけど」
「もう1つは市長選に出て衆議院選に出る。4つあるわけですよ。そこらへんのところで、いつまでもウジウジ言っとるわけにもいきませんので、しかるべき時にはお話したいと思いますけどね」