4月25日投開票の名古屋市長選挙は、河村さんと横井さんの事実上の一騎打ちという構図となりました。

 2人の戦いを例えるなら、知名度や実績という高い石垣や塀を備えた“名古屋城”の現城主・河村さんに、横井さんが挑む戦いです。

 1人ではとても攻め落とせないので、援軍が必要になります。横井さんの援軍は、古巣の自民を始め、公明、立憲民主、国民民主の各政党です。党本部の推薦で、本気になって“河村名古屋城”を攻め落とすぞと意気込んでいます。

 また、ここには共産、社民も自主的な「支援」という形で加わります。実は市議会では、リコール問題などで自・公・民プラス共産で、河村さんの責任を追及する状況が生まれていて、4選阻止という共通項が今回の包囲網に繋がっています。

 一方、河村さんの味方は自身が率いる減税日本に加え、支持政党があっても市長選は河村さんに入れるというファンの存在です。

 過去の選挙では、自民支持層の7割程度は投票していたとみられていて、横井さんの援軍がどれだけ足元を固められるかで勝敗が変わりそうです。

 河村さんと横井さんはともに、新型コロナ対策と教育・子育て政策を大きな柱に据えています。コロナ対策では、河村さんがこれまでの取り組みの継続・拡充を挙げているのに対し、横井さんは疲弊した市民生活応援のため、商品券2万円の配布を打ち出しています。

 教育・子育てでは、河村さんは市長が直接悩みを抱える子どもの相談に乗るホットラインの開設や、受験の負担軽減を狙いに小中高一貫校の新設などを挙げています。

 横井さんは小学校の給食費の無料化などを掲げています。

 横井さんの商品券2万円配布について、河村さんは「愚民政治だ」「選挙前に買収じゃないか」などと批判していましたが、9日になって対抗策を打ち出してきました。電子マネーでの買い物に30%分、上限1人2万円分までポイント還元するという公約です。ただ、財源や1人2万円の制限の仕方などはまだ検討の途上だとしています。