名古屋市の集団接種会場で6月上旬、ワクチンを接種した3人が救急搬送されましたが、体調は回復し入院には至りませんでした。ワクチン接種の副反応について、専門家に聞きました。

 6月10日と12日、コロナワクチンを接種した60~70代の男女あわせて3人が、副反応が疑われる症状で救急搬送されました。

 それぞれの症状は、接種後の経過観察中に動悸や血圧が上がったり、全身の震え、気分の悪化や体のだるさでした。その後3人とも体調は回復し、入院はしていないということです。

 副反応で多く見られるのが、注射部位の痛み・発熱・倦怠感などの症状です。

 愛知県がんセンター病院の伊東先生に伺うと、こうした副反応は多くの人に見られるが、ほとんどが2・3日で自然に改善するそうです。

 東海テレビスタッフの家族で、ファイザー社製のワクチンを2回接種した40歳の医療従事者の女性も、強い副反応が出ました。

 1回目の接種の後は、注射部位の痛みや頭痛、軽い倦怠感などの症状が出て、接種当日の夜から2日目にかけて、着替えやお風呂などで腕を上げるのが辛かったといいます。

 2回目は、接種直後から注射部位の痛みが出始め、頭痛・倦怠感・38度台の発熱・全身の関節痛・食欲不振などさまざまな症状が出て、ベッドから出られない状態でした。

 1回目も2回目も接種後24時間後くらいが症状のピークで、徐々に改善しましたが、4日目まで続きました。女性は「2回目は1回目と比較にならないくらい辛かった。仕事が休みだったのが幸いで、仕事があったら無理だった」と話していました。

 このように、かなり強い副反応が出ることもありますが、伊東先生は「副反応がある程度出ることは想定内。現在までのデータから安全性の高いワクチンであることが分かっている」としています。

 こうした副反応に対応しようとしてか、今売れているものがあります。

 ドラッグストアチェーンのアマノドラッグでは、「アセトアミノフェン」という成分が入った一部の解熱鎮痛剤が5月から通常時の4倍も売れていて、欠品になっている店舗もあるそうです。

 伊東先生は「アセトアミノフェンは副作用が少なく、妊婦や子どもでも服用できる。ただ、他の成分の解熱鎮痛剤でも十分効果がある」と説明しています。

 しかし、解熱鎮痛剤の使用について注意点も指摘していて「持病によっては避けたほうがよい薬もあるので、心配な時は主治医に相談をしてください」ということです。

 飲むタイミングについては「副反応で辛いと感じた時に飲むのはいいが、接種前に飲むとワクチンの効果が薄れる可能性もあるので、ワクチンを打つ前に予防的に飲まないように」と話しています。