東海地方で「最強のコスパ」誇るスーパー…『タチヤ』はナゼここまで安くできるのか 仕入と売場の仕掛け方

　東海地方で、18店舗を展開する生鮮食品が特に人気なスーパー「タチヤ」。

　例えば、サンふじりんご1箱（20個入）が1059円と、1玉約50円の安さ。大容量がお値打ちです。

女性客:
「野菜とかもすごく安いし、ここじゃなきゃこんなに大量に買えない」

別の女性客:
「（通常しめじは）安くても1パック100円くらいなのが、162円で4つ買えた」

　もちろん野菜だけではありません。鮮魚では、三重県産の天然ぶりが丸ごと1本で2139円。精肉コーナーでは、国産豚ももブロックが100グラムあたり74円、1キロ以上（1146グラム）のボリュームで、842円です。ボリューム満点のお肉。買った後、お客さんはどのように調理しているのでしょうか。

1.5キロの豚もも肉を購入した男性客:
「カツだったり、カレーの肉だったり、煮込んだり。分割して」

　この男性は脂のある部分はとんかつ、赤身は煮豚、残りはカレーにと、場所によって使い分けています。

　ちなみにこの豚ももブロックを使ってとんかつを作ってみると、豚肉1枚たっぷり250グラムで、1人前197円。

ポークカレーは、ニンジンやじゃがいもなどを加えて、1人前119円。そして煮豚は、1人前124円で作ることができました。

　他にも、玉ねぎやニンジンなどを合わせた肉じゃがは、1人前103円。確かにコスパ抜群です。

■レタスが2玉で162円…激安な理由は「仕入担当者責任制」

　タチヤが“大容量で安い“1つ目の理由は、「仕入担当者責任制」です。一般的なスーパーでは、1人のバイヤーが全店舗分の仕入れをし値段を決めていますが、タチヤでは各店舗の売り場責任者が自ら市場へ行き、価格を交渉します。購入したものを、自分の責任で安く売っています。

　この日、たくさん仕入れられたのは、レタスでした。

青果担当の男性:
「今日レタス祭りです。市場の人に協力してもらうので、何とか頼みますよという感じで…」

　この日、安く仕入れることができたレタスは2玉で162円とし、売り場の目玉としました。青果担当の男性は、「値段は自分だったら買う価格に設定。正直なところ赤字」と話します。お客さんに喜んでもらいたい気持ちが、値段に表れています。

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■その日の朝に価格を決めるためチラシなし…その分安さに還元

　“大容量で安い“2つ目の理由は、「チラシにお金をかけず、その分安く売る」です。タチヤでは価格を当日の朝に決めていることもあり、チラシを作っていません。その分商品の価格に還元しています。チラシがなく、その日の特売品がわからないお客さんは、どのようにメニューを決めているのでしょうか。

タチヤみなと店の店長:
「売り場を見ていただいて、インスピレーションで料理を組み立てていただく、ちょっと無茶ぶりなお店をやっています」

　タチヤでは、お客さんにまずは売り場を見てもらい、その日の献立を考えてもらっています。

女性客:
「チラシなんてないですね。来て安いものがあれば買おうと思う」

別の女性客:
「ここへ来てから安いものを買って、（献立は）後で考える」

　中には中華料理店を営む人もいました。この男性はその日の特売品を買った後にメニューを考え、それをお店の“オススメ”として安く提供しているといいます。

■その日に売り切り廃棄ロスゼロに…名物の「赤テープ巻き」

　午後4時を過ぎると、店員が商品を赤いテープで巻き始めました。タチヤ名物の「テープ巻き」です。閉店時間前に残っている商品をいくつかまとめてテープで巻き、さらに安く売りだします。もともと2袋162円だったニラは2袋で108円に。この日の目玉だったレタス2玉も、テープ巻きで108円になりました。

同・店長:
「基本的には当日売り切ります。売れなくても売っちゃうんで。無くなるまで値段を下げていくんで、廃棄ロスはゼロです」

■火・日は限界まで売りつくす…値引きされていた商品が更に激安に

　火曜と日曜の夕方は、限界まで売りつくしています。タチヤは水曜定休のため、特に火曜日は大幅な値引きが期待できます。火曜日のこの日、鮮魚コーナーでは既に804円から540円に値引きされていた「マグロ」がさらに値引きされ、432円に。

男性客:
「毎週火曜日の午後3時過ぎが、安くなる時間帯なんで…。鍋5人分作って、せいぜい500円です」

　この男性は、358円から258円に値引きされていた「あんこう」と、322円から222円になっていた「天然黒鯛」を購入しました。実際に｢あんこう黒鯛鍋｣を作ってみると、5人分で674円。1人前135円とまさにコスパ最強です。

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