名古屋市で6月、車の中に入り込んだ子猫を警察官が無事救出し話題となりました。猫が入り込んでしまうのはなぜなのか、またその対策について取材しました。
6月28日、車の持ち主が「ボンネットの中に猫がいる」と愛知県警中村署に相談に訪れました。
駐車場に寝転がり、車を入念に調べる警察官。
必死に手を伸ばし、体長15センチほどの黒い子猫を無事に救出しました。ケガをしている様子もなく、体調にも異常は見られなかったということです。
その後、子猫はたまたま中村署を訪れた女性が「一目ぼれ」して引き取ることになりました。
今回は無事に助かりましたが、猫が車に入ってしまう事例は意外に多くあります。
JAFによりますと車の中に猫が入り込んだという理由で出動した件数は、1か月で22件ありました。(※2021年1月の数字)
タイヤの隙間や、エンジンルームの真下にあるサスペンションやエンジンなどのパーツが密集したわずかな隙間から、ボンネットなどの車内に入ってしまうそうです。
猫が入り込んでしまう理由は、暖かい場所や狭い場所を好む習性や雨風が入りにくい、人の往来が少ないといった猫にとって安心できる条件が車のボンネットに揃っているためだといいます。
出動は寒い季節が多いですが、夏も日陰で涼しいため入りこんでしまうことがあり、1年中出動する機会はあるそうです。
もし猫が入ったまま車を走らせてしまうと、発電機を回すベルトに足や体が絡まって死んでしまったり、エンジンルームの熱でヤケドをしてしまう危険性があります。また、車自体が故障する原因にもなります。
こうした対策として、日産自動車は「猫バンバン」という活動を進めています。車に乗り込む前に、ボンネットを「バンバン」と数回叩くことで、猫などの動物が入り込んでいないか確認するものです。
日産自動車は、この活動を2014年から始めていて、猫が誤って車の隙間に入ってしまう事故を知ってもらい、猫も人も安心して過ごせる社会にしたいとしています。
「#猫バンバン」とつけて、SNSに投稿する人も増えているそうです。
※画像の一部は日産自動車提供