第600回 東海テレビ放送番組審議会
2.出席者
出席委員
浅田剛夫委員長、後藤ひとみ副委員長、伊藤彰彦委員、岡田さや加委員、片岡明典委員、柴田浩委員、竹松千華委員、林寛子委員、福谷朋子委員、山岡耕春委員
社側出席
内田優代表取締役会長、小島浩資代表取締役社長、春田亮介専務取締役(総括・コンプライアンス担当)、祖父江茂樹取締役編成局長、倉知哲也取締役報道局長、富田守男コンプライアンス推進局長、片島豊久スポーツ局長、川瀬隆司制作局長、伊藤雅章制作局制作部長、猪飼健夫制作局制作部プロデューサー
3.議 題
- 「新春エリアドラマ おかえり ~とこわかの町・伊勢~」2020年1月2日(木)14:00~15:30放送(90分番組)を審議
- 報告:局に寄せられた視聴者からの意見、苦情等の概要(1月)
- その他 委員自由発言「きになるテレビ」
4.議事の概要
1.審議番組について委員からは
- 奇をてらわず、正月らしいほのぼのとした内容で、刺激的なドラマが氾濫する昨今、安心が新鮮に感じながら楽しめた。
- 風光明媚な伊勢の名勝・旧跡、水面に映る伊勢市河崎地区の町並みの映像は素晴らしく、この街や伝統を引き継ぐことがドラマの一つのテーマだと思った。
- 高校生という多感で人生の岐路を思い悩む年頃娘と母との関係はとても興味深く、母の素直な強さ、優しさ、娘への愛情が感じられた。
- タイトルにある「とこわか」の精神が上手く使われていて、式年遷宮で建物とともに技術、精神も継承していく伊勢神宮を背景に、町を守っていこうとする若者の気持ちに合致した物語だった。
- 人々のつながり、風情が残っている地域は素晴らしいと思うし、新しいことだけではなく、人の心、人情が必要だと思わせてくれるドラマだった。
- 主人公が薄暗い蔵の中で髪を染めるシーンがあったが、そこに差し込む光が、思春期の女性の透明感や揺れる心情などを表現しているように感じ、効果的だった。
- 言葉一つ一つに含蓄があり、「選んだ道を自分で正解にしてく」といった人生を見据えたような素晴らしい脚本だった。
- その地域の肌感覚が上手に生かされていて、見ていると足を運びたくなるので、エリアドラマは続けてほしいし、全国に発信してほしい。
- 主人公の高校生が、進路のことで悩む中、金髪にしたシーンがあったが、唐突で、髪を染めることで何を訴えたかったのか違和感と疑問が残った。
- 父親がいるにもかかわらず、旅に出ていることで存在が希薄で、あえて出さないことにしたのか疑問が残った。
- あまりにストレートで、一つ秘密が明かされるとするならば、その奥深いところにさらに秘密があるというように、もう少し振幅のあるものにしたほうがドラマとして面白いものに仕上がったのではないか。
などの意見が出されました。
ご意見に対し社側から
- 明るく、前向きな主人公を描き、見た人が多幸感あふれる気持ちになるドラマにしたかった。
- 思春期の揺れる気持ちや反発心を表現するのに、地元の高校生に取材をしたところ、金髪にするという声が多かったためこのような演出をした。
- 父の存在をあえて希薄にし、母と娘のつながりを強調することで、娘がふるさとを出るのか、街に残るのか、夢と家族どちらを取るか揺れる心を印象的に表現したかった。
等、番組について説明しました。
2.社側から、電話・文書・メールで視聴者から局に寄せられた、問い合わせや苦情等、1月1か月間は2,128件の意見の概要、「BPO報告」No.209の概要等を報告しました。
3.委員発言 「きになるテレビ」(要旨)
審議委員からテレビについて、より幅広い意見をいただく時間を設けています。毎月おひとりの委員から意見をいただきます。
- 今回の「きになるテレビ」は、テレビ業界の未来についてです。
- 毎年、発売されている「業界地図」を読んで、テレビ業界をフォーカスした。
- テレビ業界の展望を見ると、広告収入の低迷など、厳しい状況で、将来も見通しが不透明であることがわかる。
- 状況回復のヒントとして、低迷した時代から復活した商社の事例がある。
- 要因は、バイタリティ溢れる人材、チャレンジする人材がいたことや専門分野ごとに競い合って活力を生んでいたことにあった。
- テレビ業界も、未来を開拓する人材を経営資源として抱えていると思うので、新しいテレビの形を切り開いてもらいたい。
本番組審議会の議事概要は、2月23日(日)午前5時15分から放送の
「メッセージ1」で報告しました。