STORY

1杯目

121日放送

 九十九さくら(真矢ミキ)は弁護士の三谷桃子(名取裕子)を訪ねる。16年前、高校生の息子が17歳の少女に刺され、命を落とした事件のことが自分の中でやっと整理がついたと報告するためだった。さくらは被害者の家族、桃子は加害者の弁護士だったが、いつしか立場を超え、信頼関係を築いていたのだ。

 桃子は“子どもシェルター”「ハチドリの家」の運営に関わっていた。子どもシェルターとは虐待など何らかの理由で親から逃げてきた子どもたちを一時的に避難・保護する場所だった。桃子の事務所の新米弁護士・川端哲也(柄本時生)によると、そこの調理スタッフが突然辞めてしまったという。シェルターではなかなかスタッフが長続きしなかった。とりあえず、今夜の食事を用意しなくてはいけない…。桃子はそのとき、ふとひらめく。「さくらさん、今日暇?」

 桃子から頼み込まれたさくらは、その日の夕食と明日の朝食だけは作ることを引き受ける。やがて、シェルターで暮らす子どもたちの安全を確保するため、限られた者しかその場所を知らない「ハチドリの家」に到着する。そこは、住宅街のありふれた一軒家だった。ここではホーム長・鍋島真之介(相島一之)のもと、新城由夏(岡本夏美)、井口茜(柴田杏花)、藤島玲奈(尾碕真花)、小宮山詩(祷キララ)、中里拓士(浦上晟周)、大豆生田香(塩野瑛久)というメンバーが暮らし、誰もが心に深い傷を負い、世の中の大人を全て敵だと思っていた。

 さくらが食事の支度を始めると、桃子が太田春菜(日比美思)という少女を連れてくる。春菜は義父から性的虐待を受け、実の母親からも憎まれていた。「親からもらった名前などいらない!」。春菜の絶望の深さに、さくらは心を痛める。さらにもう一人、記憶喪失の上、言葉を話せない少女(井頭愛海)が連れてこられる。この少女の身体を見て、さくらは衝撃を受ける。そして母親と和解し、自分の意志で家に戻ったはずの茜が…。「親と子が一つになって親子丼」。そんなさくらの気持ちは、シェルターの子どもたちには届かなかった…。

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