ある日のサロン。とある女性客の髪を拭いている中村パウロ。
「他に痒いとこありませんか」
「いいえ、気持ちいいわー」
客のフェイスタオルを取る、と、客は桐原桜(オカリナ-おかずクラブ-)
桜、パウロと朱美の結婚写真を目に留め、
「へえ、結婚してるの?」「ええ、まあ……」「なんか訳ありそうな感じ……」
パウロと朱美のことについて聞きたがる。
「へえ、7人の夫か……。なんかロマンチック」
「そんなことないですよ」
「嫉妬とかしないの?」
桜は7人の関係性に興味津々の様子だ。
「まあ、はじめは……」
パウロがセット終えると一枚の写真を取り出す桜。
「この人、知らない?」
「いいえ、見た覚えはありませんが……どなたです?」
「内緒。知らないならいいのよ」
適当にごまかして出て行く桜。と、待ち伏せしている一人の男。
「あ、桐原先輩……」
「その後、どう?」
「僕の他に6人も夫がいるので楽じゃないですよ。まあ、何とかやってます」
「それで?彼、何か知ってるの?」
「いえ、彼は何も知らないようです。手掛かりは途絶えたままです」