2018年4月7日(土) よる11時40分〜

Specialスペシャル

Topicsロケ地紹介 その②

 「いつまでも白い羽根」では物語に一層のリアリテイを与えるべく、実際の看護学校や病院をお借りして、多くのシーンを撮影しています。ロケでお借りしたのはどんな場所かご紹介するとともに、看護学生の皆さんが実際どんな勉強をしているのか、さらに現在の看護師事情などもお伝えします。

★ロケ地その2「松戸市立総合医療センター」
瑠美や千夏たち学生が実習を行うシーンは千葉県松戸市にある「松戸市立総合医療センター」で撮影されたものです。多忙な中、撮影にも立ち会っていただいた、病院長の烏谷博英さんにお話を伺いました。

――「松戸市立総合医療センター」はどういった病院かお教えください。
「千葉県松戸市にある当院は、東京都と埼玉県に隣接し、県外からもドクターヘリによって重症患者の受け入れを行い、3次救急医療を担っています。この地域は、人口50万人に対し、1院ととても医療資源に恵まれた地域なんですよ。
 もう一つの特徴が、小児科系が充実している点です。小児科系は医師が足りないと言われていますが、『松戸市立総合医療センター』の小児科医は30名ほど。これは大学病院より多い人数になります 」

――まさに医療の最前線ですね。今回、どういった経緯で本作にご協力いただいたのでしょうか?
「この作品は看護学生の成長物語と聞き、附属の看護専門学校もあるので、協力することにしたのです。実は、2017年12月に移転開院したばかりで、新しいきれいな病院を舞台に撮影に協力することができ、こちらも嬉しく思います」

――現場では多くのアドバイスをいただいていると伺いました。
「学生が貧血で倒れる場面がありましたよね。貧血って、一般の方と医療に携わる者では認識が違います。医療従事者の言う貧血とは血液が少なくなり、血が薄くなる状態を指します。よくドラマなどで貧血で倒れると、まぶたの裏を確認する動作をすると思いますが、あれは本当は血圧を下がっているのを調べるためのものです。貧血の場合、本当は脈を図らなくちゃいけません。そのあたりが誤解されているんですね。スタッフさんから貧血という状況を伝えるため、まぶたの裏を確認する動作を入れたいと相談されたので、脈を測る動作も入れるようアドバイスしました。
 産婦人科の場面では臨場感を出すため、エコーを測る指導をしてほしい、と頼まれたんです。産婦人科の女医に伝えたら、『やります』と協力してくれました。セリフもあるので大丈夫かと確認したら、『普段、よく言っていることだから大丈夫です』と。あとで聞いたら緊張もしなかったそうで、大したものだなと思いましたよ(笑) 」

――ドラマをご覧になっている方の中にも看護師を目指している方が多くいると思います。そんな皆さんにメッセージをお願いします。
「看護師はやりがいのある仕事です。年齢を重ねると救急医療の現場などは難しいかもしれませんが、ベテランになっても訪問看護、在宅看護などさまざまな場面で活躍することができます。経験を積んだ看護師が患者さんの相談に乗り、精神的な面で支えるんです。医療の最前線は確かに大変なこともあります。でも仕事って、やりがいのあるものを選んでほしいですし、そういう意味でも看護師は選択肢のひとつに入ると思います」

――烏谷先生は、どんな人が看護師に向いていると思いますか?
「まず芯がしっかりしていないとダメ。性格が優しいだけでは難しいかもしれないです」

――ある意味、我が強いくらいのほうがいいのでしょうか?
「そうではありません。優しさだけで患者さんに接していると、ストレスが溜まり、心身ともにへたってしまいます。自分をしっかり持っていて、大変な仕事ではあるけれど、人のためになりたいと言ってくれる人が向いていると思います。実際、看護師になった人を見ていると、勉強ができるから良い看護師になれるわけではありません」

――では、どんな人が良い看護師になるのでしょうか?
「患者さんのことを尊敬できる人ですね。それと、看護師になったばかりの人で、『勉強は苦手でしたが、その分、体を動かします!』というタイプは良い看護師になる人が多いです。看護学生の時は覚えた知識と実践をつなげるためについ考えてしまう。考えることが悪いことではないですが、看護師は、考えてから動くのでは遅い場合も多くあります。何ごともまず経験して体で覚えていくしかないんですね。体で覚えるなんて職人みたいですけど、看護師は職人みたいなものだと僕は思います。それは医者も同じですが」

「松戸市立総合医療センター」
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本作ではさらに、昭和大学医学部付属看護専門学校と東群馬看護専門学校でもロケを行いました。ご協力いただいた各関係者の皆様に、この場をお借りしてお礼申し上げます。