将棋の王将戦のリーグ戦。藤井聡太二冠が、ついにレジェンド・羽生善治九段に敗れました。AIが250億手も読んでようやく最善手と判断した羽生九段の一手が、勝負を分けました。

 愛知県瀬戸市の高校3年生、藤井聡太二冠(18)。22日開幕した王将リーグに3つ目のタイトル獲得を目指して臨みましたが、結果はこれまで3勝無敗だった将棋界のスーパースター・羽生善治九段(49)に初黒星…。

藤井二冠:
「苦しい展開なのかなと思っていました」

 羽生九段がわずか3分で指した66手目が勝負の決め手になったのですが、大会で世界一となった将棋AIソフト「水匠」の開発者によると、なんとAIが250億手も読んでようやく最善手と判断した一手だったのです。

羽生九段:
「こちらの玉もかなり危険なので、最後までどっちが良いかよく分からない感じで指していました」

藤井二冠:
「厳しいスタートになりましたけど、また良い状態で次の対局に臨めるようにしたいと思います」

 黒星スタートとなった藤井二冠ですが、23日はハレの日。今年7月に史上最年少で獲得した初タイトル「棋聖」の就位式が行われました。

藤井二冠:
「昨日対局があったので、ちゃんと寝つけるかどうか心配ではあったんですけど、結果的にはしっかり寝ることができて、今日を迎えることができてよかったと思います」

 藤井二冠にはタイトル「棋聖」の就位状や、特別賞として宿泊券などが贈られました。

 式にはもちろん、師匠の杉本昌隆八段(51)も駆けつけました。

杉本八段:
「今回この棋聖の獲得で、映画でいうならばやっと本編が始まったくらいではないかなと。これから、とてつもない記録をどんどん塗り替えていくのではないかなと思っております」

 最後に藤井二冠からの謝辞が…。

藤井二冠:
「(棋聖戦の)5番勝負を通して多くの得難い経験をすることができました。この経験を生かして成長できるよう努めてまいりたいと思っています」

 王将戦・挑戦者決定リーグ戦、次戦は10月5日の豊島将之二冠(30)との対局。藤井二冠が5連敗中の強敵です。