年間登録車の5台に1台盗まれた計算…『レクサスLX』盗難被害多発 防犯装置解除する「新たな手口」出現
去年1年間で、愛知県内で登録された5台に1台が盗まれた計算になる高級車「レクサスLX」。防犯対策をしっかりしているつもりでも、安心できない事情がありました。
深夜の駐車場に現れた白い車…。黒い服を着た男が降りてくると、停めてあった車を物色。男がドアを開けて運転席へ乗り込むと次の瞬間…激しい火花が。その後、男は車を走らせ去って行きました。激しく散った火花は、ハンドルロックを切断した際に出たものとみられています。
1月27日、愛知県西尾市で発生した盗難事件の一部始終。盗まれた車は、トヨタの高級車「レクサスLX」。去年1年間に愛知県内で最も多く盗まれた車でした。その数は119台。
名古屋市に住む女性も、去年12月に自宅の駐車場でレクサスLXを盗まれました。
被害に遭った女性:
「出勤しようと思ってここに来たら、もう跡形もなく。まさかという感じですね。本当に残念です。盗難被害が多い車だということは知っていました。リレーアタック防止の、電波を発信しないような袋に入れたりとかして。ここの駐車場も防犯カメラを設置してあるので、大丈夫だと思っておりました」
リレーアタックとは、スマートキーから出る微弱な電波を特殊な受信機で増幅させ、車の近くで待機する仲間の受信機へ送り、ロックを解除する手口。数年前から見られる手口で、女性は盗難対策として微弱な電波を遮断する専用のケースにスマートキーをいれていました。しかし…。
キッズガレージの吉田代表:
「鍵を(電波を遮断する)スチールの缶とかに隠しておけばいいんじゃないかとか。今はそれだけじゃ、半分も守れていないような感じです」
カーセキュリティの専門店で話を聞くと、リレーアタック対策だけでは不十分だという現実が見えてきました。
吉田代表:
「デバイス(特殊な装置)を使ってオープンボタンを押すだけで、純正セキュリティーが解除されちゃいます」
「新たな手口」の出現です。車のある部分に特殊な装置を接続するだけで、純正の防犯装置なら簡単に解除できるといいます。
新たな手口から車を守るためには、防犯上見せることはできませんが、カーセキュリティー専門店で取り付けられる、まだ窃盗団に解析されていない装置を使うことが有効だといいます。
一方で、もっと手軽にできる盗難対策も。ずらりと並んだ防犯装備の中でおススメされたのが…。
イエローハット中川澄池店の山内さん:
「タイヤロックになります。重さはありますが簡単にできますので、女性の方でもできるかなと。広げていただいて、挟み込む形でキーをロックしていただく」
ホイールに装着することで、タイヤが動かないようにします。ポイントは装備の「重ね付け」。ハンドルロックを付けたから安全ということではなく、車外から見える対策を2つ3つと増やすことが重要だといいます。
自動車窃盗犯は盗むまでに時間がかかることを嫌がるため、愛知県警は一つの防犯装備で大丈夫と思わず、色々な装備を組み合わせることが大事だと呼びかけています。
去年の愛知県の盗難被害台数は487台。このうち119台がレクサスLX。「LX」の愛知県内登録は去年3月末時点で605台で、単純計算で5台に1台が盗まれたことに。
カーセキュリティ専門店によると、レクサスは人気ブランドで特にLXは高額。高値で取引されるため、窃盗団に狙われやすいとみられています。