これまで私たちの生活に欠かせなかった印鑑。しかし、河野行政改革担当相の発言の影響などもあり、このところ「脱ハンコ」の動きが急速に進んでいます。

 そんな逆風の中、「ネーム印」で8割以上のシェアを占める名古屋のシヤチハタでは、電子印鑑のサービスを強化していました。

シヤチハタの舟橋社長:
「電子印鑑・パソコン決済の新しいエディションである『シヤチハタ・クラウド・ビジネス』について、ご説明させていただきます」

 16日にオンライン会見で新たなサービスを発表したシヤチハタ。朱肉のないハンコ「ネーム印」の代名詞となる企業ですが、実はパソコン上で使う「電子印鑑」にも25年前から取り組んでいて、今回さらに機能を強化しました。

 電子印鑑、一体どんなものなのか体験させてもらうことに…。

(リポート)
「(PC画面の)右側にハンコがありまして、選択をして押したい所にマウスをもっていって、クリック、そしてもう一度クリック。これで終わりですか?簡単ですね」

 クリックするだけで簡単に書類に押印できます。

シヤチハタの担当者:
「認印の類はですね、その場でこのサービス上で作ってすぐに登録ができるようになっています」

 今回発表された新サービス「シヤチハタ・クラウド・ビジネス」では、社外との書類のやりとりにも電子印鑑が使えるようになるなど、機能が強化されています。

シヤチハタの広報担当者:
「(ネーム印の売り上げは)直近で1割ほど(減少の)影響がある」

 コロナの影響に加え、脱ハンコの動きで苦境に立たされているシヤチハタですが、これまでもハンコの形のチークやリップクリーム、さらには手洗い練習のスタンプ「おててポン」など、長年培った技術を生かしユニークな商品を開発してきました。

シヤチハタの広報担当者:
「アナログもデジタルも、うまく共存してやっていければと思います」

 時代の流れを受け止めながら、生き残りをかけた挑戦が続きます。