ホテルの立体駐車場で22日、消火用のガスが放出され作業員が死亡した事故で、名古屋市消防局が同様の設備を持つ施設を特別査察しました。

 名古屋市消防局は、死亡事故が起きた立体駐車場と同じ二酸化炭素ガスを放出する消火設備がある施設およそ780か所を対象に、23日から特別査察をしています。

 名古屋市中区栄3丁目のホテルには24日午後、中消防署予防課の職員が訪れ、設備の点検をする際にガスの元栓に当たる閉止弁を閉めることや、ガスが放出されたら素早い避難を徹底するよう呼び掛けました。

 一方、査察のきっかけとなった中区錦3丁目のホテルの立体駐車場で起きた22日の事故では、改修工事に当たっていた作業員・玉田謙さん(51)が死亡したほか、10人が重軽傷を負っています。

 その後の関係者への取材で、工事で高熱の器具を使うため、作業員が火災報知器の誤作動を防ごうと、誤って消火設備の作動ボタンを押したとみられることが新たに分かりました。

 警察は業務上過失致死傷の疑いも視野に慎重に調べています。