現役高校生の将棋棋士・藤井聡太二冠が、聖火ランナーを辞退する意向を関係者に伝えていたことがわかりました。一連の森会長の発言は関係ないということです。

 11日の朝日杯。対局に集中している藤井聡太二冠。将棋の道をさらに究めるために決めたある選択、それは…。

瀬戸市の伊藤市長:
「対局の回数が増えたり、日常的にスケジュールがタイトになるので、4月に予定している聖火ランナーを、大変残念なんだけれども、辞退したいという申し入れがありました」

 将棋の対局が立て込む中、去年10月ごろに、聖火ランナーの辞退を伝えていたことがわかりました。

 聖火リレーは、愛知県内では4月5日と6日に行われ、そのスタート地点・愛知県瀬戸市の第一走者が藤井二冠のはずでした。

瀬戸市民の男性:
「え、辞退されるんですか?(藤井二冠を)楽しみにしていたので、見に行こうと思っていたんですけど」

瀬戸市民の女性:
「(将棋との)両立というのはすごく大変だと思うので、将棋が本当の仕事なので仕方ないのかなと」

(リポート)
「藤井聡太二冠は、ここ瀬戸市の深川神社でセレモニーをして、あちらの鳥居から聖火リレーをスタートする予定でした」

 深川神社では、聖火リレーの御朱印も出す予定に。さらに参道の電気店は…。

電気店の人:
「深川神社さんから聖火リレーで一番手と聞いていたので、すごく楽しみにしていた。将棋が忙しくなっちゃったのかな」

 藤井二冠の対局のたび、お店のシャッターに駒を並べ、街をあげて応援してきた地元の商店街。11日も朝日杯の対局を速報していました。

シャッター大盤発案者の飯島さん:
「ご本人がいろいろと考えて決められたことですし、仕方ないかな。将棋に集中してもらえればいいかなと」

瀬戸市の伊藤市長:
「愛知県の一番最初の第一走者ということでもありましたので、期待も大きくて残念ですけれども、それは違う形でまた応援すればと」

 また、師匠の杉本昌隆八段は「本人の判断だから尊重したい。聖火リレーを受けた時とはコロナの状況も違い、走ることで注目を集めすぎて人が集まっては本末転倒。賢明な判断だったと思う」とコメントしています。