将棋の藤井聡太二冠が”鬼のすみか”との異名の「順位戦」B級1組で初白星です。名人挑戦権を争うA級への昇級に向けて幸先のいい勝利となりました。

 13日、東京で名人戦の予選にあたる順位戦の対局に臨んだ藤井聡太二冠(18)。相手は昨年度までA級に在籍していた三浦弘行九段(47)です。

 B級1組に上がって初の対局。13人で総当たり戦をし、成績上位の2人がA級に昇級できます。しかし木村一基九段(47)など強豪が在籍し、”鬼のすみか”と呼ばれるB級1組。

 藤井二冠、その洗礼を受けるように苦しい展開に。インターネットの中継番組に登場した藤井二冠の師匠・杉本昌隆八段(52)も…。

杉本八段:
「見るたびに(評価値の)パーセンテージが下がっていくのが、悲しいなと思いながら見てました」

 その後、午後10時を回り、どんどん追い詰められていく藤井二冠…。

杉本八段:
「こういう進行だとすると相当苦しい。藤井二冠としては出来の悪い将棋だなという感じですね、ここまでの流れは」

 それでも午前0時前、粘り強く指し続けた藤井二冠がペースを握り、ついに三浦九段が頭を抱える展開に。

杉本八段:
「ついに逆転しましたね。これは熱いね」

 思わず師匠の解説も熱を帯びます。持ち時間6時間の長期戦。対局は未明まで続き、午前0時26分、ついに…。

三浦九段:
「負けました」

 109手で藤井二冠が勝利。B級1組の初戦で白星と幸先のいいスタートを切りました。

藤井二冠:
「本局も苦しい時間が長かったかなと思いますし、B級1組でまた今後も厳しい相手が続くと思うので、より一層気を引き締めていかなければいけないなと思っています」

※画像は日本将棋連盟提供