熱海の土石流災害現場には愛知県からも消防隊員が派遣され、捜索にあたっています。第一陣として派遣された名古屋市消防局の隊員らが活動を終え、現地の過酷な状況を報告しました。

名古屋市消防局の加藤消防司令:
「一歩踏み出すと膝までつかるような環境だったので、それくらいぬかるんだ土砂の中の活動なので」

 スコップで泥をかきだし、手作業で運び出します。熱海の土石流災害で行方不明者の捜索にあたった名古屋市の消防隊員です。

 13日午後8時半、39人の隊員が名古屋に戻り、現地での活動を報告しました。

加藤消防司令:
「狭あいな場所でもあるし傾斜地であるので、思ったよりは(作業が)進んでいないなという印象を受けました」

 土石流が建物を飲み込む瞬間をとらえた映像。土砂の直撃を受けた茶色の建物…。名古屋市の消防隊員たちが担当したのはまさにこの建物の周辺です。

 7月10日から4日間、毎朝4時に起きて1日12時間、行方不明者の捜索にあたりました。

加藤消防司令:
「非常に重いのと汗をかきます。木材だとかが多くある場所ではスコップがなかなか刺さらなかったり、(泥を)手でかき出してバケツに入れて、それを搬出するという作業の繰り返しでした」

 行方不明者を探すため重機はなかなか使えず、暑さで体力も奪われる過酷な環境でした。

加藤消防指令:
「土砂災害の経験があまりない者が多かったのでお互い声をかけあって、安否不明の方を1人でも助け出したいという思いで実施しました」

愛知県大隊の正入木隊長:
「今回の熱海の現場でも、思ってもいなかったことだと思うんですよね。この大都会の中でもいつ災害発生してもおかしくないと。(避難に)動ける人は動いて早めの対応をしていただけると(被害を)防げるのかなと感じます」

 名古屋市消防局は13日から第2陣として38人を派遣していて、引き続き行方不明者の捜索などにあたっています。

※画像と動画の一部は名古屋市消防局提供