国「自治体に在庫ある」自治体「余ってない」…ワクチン接種の進捗めぐり両者に“ギャップ” 戸惑いの声も
新型コロナワクチンをめぐり、国と自治体の間で言い分に食い違いが生じています。「自治体のワクチンに『在庫』がある」とする国に対し、「余っていない」と自治体は反論していますが、食い違っている原因を取材しました。
名古屋市のワクチン接種会場では、1日1600人規模での接種が進められています。その接種と並行して行われているのが…。
名古屋市新型コロナウイルス感染症対策部の担当者:
「『VRS』の読み取り作業を行っておりまして、誰がいつ、どこで、どのワクチンを接種したかというのを記録することができるシステムです」
ワクチン接種記録システム「VRS」。接種券に書かれた18桁の番号を読み取ることで、国が接種状況を一元的に管理できるといいます。
接種の進捗把握に役立てられていますが、その進捗をめぐり、国と自治体の間で「ギャップ」が生じています。
菅首相(7月8日):
「(自治体には)先月までに9000万回のファイザー社のワクチンが、人口に応じて配分されております。そのうち4000万回分が、使用されずに『在庫』となっていると見込まれます」
菅首相が「在庫」と表現したのは、各自治体への供給量から接種実績を引いた残り分。この実績の算出には「VRS」のデータが使われていて、在庫が多いとみなされた自治体では、8月前半から配分されるワクチンが1割減らされることになったのです。その対象に名古屋市も含まれました。
河村名古屋市長(7月13日):
「余っとるワクチンはにゃあと、名古屋は。不満はありますけどね」
市の担当者からも戸惑いの声が上がります。
名古屋市新型コロナウイルス感染症対策部の担当者:
「6週間分以上の保管・未使用のワクチンがあると名古屋市は判断されたということでございます。今希望される方全員に打てるだけのワクチン量がないのは事実です」