愛知県では10月1日から自転車に乗る際、大人でもヘルメットの着用が努力義務化されることになりました。ヘルメットを「当たり前」に。メーカーもあの手この手です。

 名曲のメロディに乗せ、ヘルメット着用を呼び掛ける愛知県警の「演歌ポリス」こと中村署の新記直臣巡査長。何度もヘルメット着用を求めるのにはワケがあります。

 コロナ禍での密を避ける移動手段として人気が高まる自転車。その一方で、悲しい事故は後を絶たず、愛知県では去年までの5年間に自転車事故で155人が亡くなりました。このうち、頭のケガが致命傷となった人が7割ほどを占めています。

 こうした現状を受け、愛知県は条例を改正し、10月1日から県内全域で、子どもだけでなく大人もヘルメットの着用が努力義務化されることになりました。しかし、街の人は…。

街の人:
「髪セットしてヘルメットしたら、くしゃくしゃになりますよね」
「なかなかね、かぶると臭いしね」

 なかなか浸透しない中、ヘルメット着用が当たり前になるよう、メーカーは様々な意見を取り入れた商品作りに取り組んでいます。

クミカ工業の代表:
「服になじむデザインをすすめてきました。女の子がかぶる時に、髪の毛を後ろから出せるような構造にして、できるだけ自然にかぶれるものを目指して」

 元々は「カワイイ」に敏感な中高生向けに開発したヘルメット。目指したのは「自然にかぶれる」ことです。

 こちらのヘルメットは一見すると帽子ですが、安全性はバッチリです。

 名古屋市北区の自転車専門店では、条例の改正が決まった3月以降、ヘルメットの売り上げが2倍ほどに増えたといいます。

 スポーティーな自転車からいわゆるママチャリまで、どんな自転車にもコーディネートできるようにと揃えたヘルメットは、およそ100種類にも及びます。

ニコー製作所の店長:
「街中で使っていただけるヘルメットを準備するということで、かっこよくかぶっていただけるものを沢山用意しました。かぶっていただくと、思っているよりかっこよく見えますので、かぶっていただきたいですね」