全トヨタ労連の支援を受け、愛知11区で6回連続で当選している古本伸一郎さんが、10月31日投開票の衆院選に出馬しないと14日午後に表明しました。

古本氏:
「私古本伸一郎は、この度の総選挙に出馬をいたしません。最後まで悩みましたが、解散の日を迎え、これしかないと思いました。現在、カーボンニュートラル2050や、車の税金の抜本改革、さらには社会保障の改革・財源確保など、組合だけでなく社会全体で力を合わせる課題が多くなりました。対立より解決の方法はないものか、街を良くしたい思いは同じならば、組合は旧民主党、地域は自民党という壁をなくせないものか、この間、葛藤してまいりました」

 14日午後に豊田市内のホテルで開かれた会見で古本さんはこのように述べ、不出馬を表明しました。

 古本さんはトヨタ自動車出身で、「全トヨタ労連」の支援を受け、愛知11区でこれまで6回連続で当選し、民主党政権下では財務大臣政務官を務めました。

 その後は野党再編の中で、民進党や希望の党などを渡り歩き、現在は無所属として活動していました。

 10月31日投開票の衆院選の出馬に向けても準備を進めていて、今年8月に開かれた会見でカーボンニュートラルの政策にも触れ、「令和の時代の社会創造を示すべき」と訴えていました。

 そんな中での解散当日での不出馬表明…。

 支援する全トヨタ労連は、カーボンニュートラルに向けて超党派での対応が必要とし、選挙区内に自民党の候補予定者がいる中で古本さんの出馬は組合の方針と矛盾することから、不出馬が決まったということです。

 連合の中核をなす全トヨタ労連が自民党との対立を避けたことは、旧民主党系の強い愛知県内の他の選挙区にも今後波紋を拡げそうです。