10日、自民・公明両党が合意した経済支援策。その一つが、マイナンバーカードに最大2万円分のポイントを付与するという内容でした。

 消費喚起とカードの普及…一石二鳥を狙う経済対策ですが、課題も多いようです。

 自民・公明の両党が10日合意した経済支援策。18歳以下の子供への10万円相当の給付は、親の所得制限付きで実施。困窮世帯に対しては、住民税非課税世帯に一律10万円が支給されます。

 さらに三つ目の対策として打ち出されたのが、マイナンバーカードの新規取得などで最大2万円分のポイントを付与するというもの。これに街の人は…。

30代女性:
「(マイナンバーカードを)作ろうかなとは思っているんですけど。(理由は)ポイント付与が大きいかもしれないですね」

70代男性:
「デジタルに関するセキュリティーが国全体として甘いところがあるので、プレミアムをつけてもらっても作る気はないです」

 新規取得を前向きに考える人がいる一方で、個人情報の管理に不安を覚える人もいるようです。

 今回の合意で決まったポイントの付与。ただし、カードを作れば一度に2万円分が貰えるというわけではありません。

自民党の茂木幹事長:
「マイナンバーカード、これを取得した皆さんに対してですね、これはプレミアム方式でポイントを付与する。最大5000円までということであります」

 まずはマイナンバーカードを新たに取得し、クレジットカードや電子マネーといったキャッシュレス決済を登録すれば、買い物などの金額に応じて決められた率のポイントが最大5000円分までたまります。

 実は5000円分のポイント付与は、今年4月までに申請してカードを取得した人に対しては行われていて還元率は25%。1万円の買い物で2500円分のポイントが付与される計算になります。では残りの1万5千円分はというと…。

自民党の茂木幹事長:
「同時にこのカード、健康保険証とひも付けていただく。また公金の受け取り口座の登録を行っていただく。それぞれ7500円」

 マイナンバーカードに健康保険証を結びつけることで7500ポイント。さらに預貯金口座を登録した人に7500ポイントを付与。合わせて最大2万円分のポイントになるというわけです。

 3つの段階が必要となるポイント付与…。

60代女性:
「保険証は保険証のほうがいいような気がして。そこまでしてもらおうとは思わない。今のままでいいかな」

 そもそもマイナンバーカードの普及率は全国で39.1%と4割にも満たず、マイナンバーカードを保険証として利用できる医療機関は全国で5.8%、愛知ではさらに低い4.8%とほとんどの医療機関が対応していません。

 消費喚起とカード普及。その両輪を動かすには、ポイントで引き付けるだけではなく利便性を高めていくことも必要だと言えそうです。