
新型コロナへの緊張感が再び高まっています。オミクロン株はこのまま一気に拡大していくのか、そして今年こそは「アフターコロナ」の1年となるのか…。最前線でコロナ治療にあたる医師に話を聞きました。
藤田医科大学病院の岩田充永副院長は、コロナ治療の最前線で闘う医師の立場で、去年も数多くの取材に協力していただきました。
岩田副院長:
「幸い年末年始も、コロナで重症化した患者さんがいたら入院できるように準備していたんですけど、そういう患者さんはいらっしゃらなくて、通常の救急で入院が必要になった患者さんに入院してもらっています。コロナが流行る前の、例年通りという形に戻ってきました」
この年末年始、コロナ患者ゼロだったという藤田医科大学病院。ナースステーションも比較的落ち着き、通常通りの医療が続いていました。
岩田副院長:
「人工呼吸器をつけたような方が(ここに)入院していました。ここはまた、コロナの重症・中等症の方に入っていただくような病棟に変わることになります」
コロナ患者の治療にあたる「レッドゾーン」。11月16日から患者ゼロの状態が続き、現在は開放していますが今年も体制は維持していました。
岩田副院長:
「年末に1日、年始(2日)に1日出勤して、あとはこの1年コロナで止まっていた論文を書いたりしていました。去年は本当に毎日出勤してコロナの患者さんの対応をしていたので、それに比べると例年の年末年始が戻ってきたかなと」
落ち着いた年末年始を過ごしていたという岩田副院長。しかし、12月26日には愛知でも初となるオミクロン株の感染が確認されるなど、警戒は高まっています。
岩田先生副院長:
「(オミクロン株の感染者は)想像していたよりはゆっくりかなと思うんですけど、おそらく感染者はここからさらに増えていくでしょうし、オミクロンが占める割合がほとんどになっていくと。おそらく、オミクロンかどうかを検査することもせずに、オミクロンだろうと考えるようになっていくんじゃないかと。オミクロンはちょっとの隙も許してくれないぐらい。少しの緩みも許されなくなってきたというところは、気を付けていただかなければいけない」
感染力が強いといわれるオミクロン株。拡大は避けられないとみられる中、これまでに得た経験や対策が、命を守ることに繋がると岩田副院長は話します。
岩田副院長:
「抗体療法や飲み薬をできるだけ早く、症状が出たら早く診断を確定して、コロナであるならば飲んでいただく、あるいは点滴を受けていただく。こういう事で重症病床に入院しなくて済む、その方の命を守ることが必要になってくる。去年の今ごろは重症化した人に対応する治療がメインだったのが、重症化させない、さらにはワクチンが普及して感染を予防するところまで戦いの持ち手は増えたわけなので、明らかに付き合い方は変わってきた」
2022年はどんな1年になることを望んでいるか聞いてみると…。
岩田副院長:
「ニューノーマルが浸透し、人々の繋がりが取り戻される1年になってほしいと願っています。不織布マスク同士でお話するっていうのが1年半で当たり前の様になってきました。人間同士が繋がりながら、感染対策をしながら、感染症で命を失う人が減っていく、そういう一年になってほしいなと思います」
※画像は国立感染症研究所提供