新型コロナ第6波の到来で、感染者が急増し生活に様々な制限がかかる中、感染対策の業者には依頼が殺到するなど、業種によって明暗がくっきりと出始めています。

 コロナ治療の切り札として期待が高まる「モルヌピラビル」。12月24日に国内での使用が承認され、発症から5日以内の患者が服用すると、死亡や入院リスクが50%ほど低下するとされています。

 名古屋市名東区にある『あすか薬局』では1月に入り、この薬の配達を始めました。

 配達の対象となるのは、医師が重症化リスクがあると判断した61歳以上の基礎疾患を持つ自宅療養者。飲み薬の配達するのは薬剤師の仕事です。

 事前に症状などを聞き取った自宅療養者の自宅に届けますが、感染が広がらないよう、薬が必要な人だけでなくその家族とも接触しないよう対策をとっていて、玄関のドアに薬を引っかけるなどし、電話で薬を届けたことを知らせるといいます。

あすか薬局の薬剤師:
「患者さんがお薬を受け取った後に電話をしていますが、その時の患者さんの声がすごい安心したような声になるんです。それを聞くと、やっぱりこれはやっていかなければいけないことなんだなと」

 現在、愛知県で「モルヌピラビル」を処方できる薬局は131店舗。この薬局では先週から問い合わせが増えてきたそうですが、薬の量に限りがあるため、一日に1軒の薬局で3人分しか出せないと決められています。

あすか薬局の薬剤師:
「今3人分調剤してしまったものですから、あすか薬局は在庫がゼロになるんですね。今日の夜、インターネットで発注すれば、明後日には3人分また入ってくるとなっています。厚生労働省の方に登録している配備薬局というので、登録している薬局しか今のところは調剤できないとなっているんですね。各区でもうちょっと(登録)薬局を増やしてほしい」

※画像はMSD提供