広がる高齢者の感染…地道な感染予防策続ける高齢者施設のイマ「もし“陽陽介護”になってもやるしかない」
新型コロナウイルス・オミクロン株の感染拡大で、高齢の陽性者が増加しています。高齢者施設の対策の今を取材しました。
名古屋市中川区の特別養護老人ホーム『あんのん』。高齢者30人が暮らしています。
新型コロナの第3波が襲った2020年夏。『あんのん』では入所者と職員、合わせて11人が感染するクラスターが発生しました。
この時の経験を元に取り組んでいるのは、消毒や換気といった地道な感染予防策の徹底。その後の1年半は感染者は出ていません。
あんのんの施設長:
「基本的な感染対策をしっかりやっていく。それ以上のことは難しいので、そこはしっかりやっていくことが大事かなと思います」
ところが名古屋市でも最近、高齢者施設の利用者や職員が感染するケースが再び増加しています。
名古屋市介護保険課の担当者:
「1月中旬から増え始めて、(2月に入り)1日に20カ所ぐらいですね。『10人しかいないスタッフの中で半数近くが陽性になってしまってどうしたらいいのか、その職員が夜勤であったりとか、休ませてしまったら本当に立ち行かないんだけど…』というようなご相談は実際にございます」
介護する職員がいなければ成り立たない利用者の生活。陽性の利用者を陽性の職員が介護する「陽陽介護」をせざるを得ない状況が各地で起きています。
あんのんの施設長、吉田さんも、再び施設で感染が広がり職員が足りない状況が生まれたら、「陽陽介護」もやむを得ないと考えています。
あんのんの施設長:
「入居者さんや利用者さんは、感染対策のためだけに生きているわけではないので、その人がもしかしたら今日が最後の1日になるかもしれないんですね。そこをしっかりと考えて、例えば陽陽介護、もしそうなってもそれをやるしかない」