三重県いなべ市で12日未明、保育園が全焼しました。この保育園は「木のぬくもり」をコンセプトに建築され、県産材がふんだんに使われた『こだわりの建物』で、保護者もショックを隠し切れません。

 園の職員が、「前日に屋外で七輪を使って豆を焼いて園児と食べた」と話していて、警察と消防が詳しく調べています。

 暗闇で燃え上がる眩しいほどの炎…屋根よりも高く燃え上がり、建物全体に広がっています。

 12日午前0時すぎ、いなべ市大安町で「建物全体が燃えている」など通報が相次ぎ、夜通しの消火活動が続きました。

 幸いケガ人はいませんでしたが、木造平屋建ての建物1700平方メートルが全焼。鎮火までおよそ8時間という大火事となりました。

 日がのぼり、上空から見ると、建物の中心が大きく焼け落ちた無残な姿が露わに。すぐ側には滑り台などの遊具が。火事の現場は、いなべ市立の保育園「笠間保育園」です。

(リポート)
「現場からはまだ焦げ臭い匂いがしています」

 黒こげとなった学びの場。現場の隣に住む人は、火事のすさまじさをこう語ります。

保育園の隣に住む男性:
「窓の所が割れて火がガーって。怖かったね、火の出方が。夜中に誰もいない保育園で火が出るなんてね」

 火事が起きる前に撮影された保育園の写真。たくさんの木材が使われているのがわかります。

 市によりますと、この保育園は「木のぬくもり」をコンセプトに9年前に建築。三重県産のスギやヒノキなどをふんだんに使った『こだわりの建物』だったといいます。

 この保育園に通っている親子も、ショックを隠し切れません。

母親:
「悲しくて泣きました」

別の母親:
「ショックとしか言いようがない。ここにもう通えないということがショック」

子供:
「ちょっと悲しい…」

 いなべ市によると、園の職員は市の聞き取りに対し「11日の午前中、屋外で七輪を使って豆を焼き、園児と食べた」と、火事の心当たりについて話しているということで、警察と消防が詳しく調べています。