コロナ禍でマスク生活が長く続くなか、小さな子供の発達を促そうと、一部の保育園では保育士が口元が見えないマスクの代わりに、透明のマスクを活用しています。その効果とは…。

 愛知県稲沢市の駅前保育園。お昼の給食タイム、2歳児のクラスで世話をする保育士の口元をよく見てみると、つけているのは透明のマスクです。

 保育士が食べるふりをしながら声をかけると、子供も真似をして口をもぐもぐ…。

保育士:
「ここが半透明になっていて、口の動きとかが見やすい」

 この透明マスクは、稲沢市が市内の保育施設などに2021年夏から無料で配布していて、この保育園では給食や読み聞かせの時間に保育士がつけるようにしているといいます。

保育士:
「目だけしか見えない状態だと、言葉で会話できる年齢になってくればいいんですけど、表情で読み取ったりとか、怒ってる笑ってるとか覚えていったりもするので、見えていた方が見えないよりはいいのかなと思っています」

 言葉がまだうまく使えない小さな子供にとっては、口元の表情や動きがとても大切な情報源です。

保育士:
「(顔全体が見えると子供は)目だけじゃなくて目線が口の方に動いて、(口を)開けたら開けてみたり、笑ってるときは口角が上がったりとか」

 この透明マスク、通常の不織布マスクより少し息苦しいそうですが、口元を子ども達にしっかりと見せることができると保育士からの評判は上々です。

保育士:
「目だけじゃなくて口の動きが見えるのはいいなと思うんですけど、できるなら早くこのマスクをとった生活になったら嬉しいなと思っています」