夫からは理解得られず離婚…「見えない障害」発達障害の49歳女性 新たなパートナーと“尊重し合う暮らし”
6月4日から放送が始まる東海テレビの新しい土ドラ『僕の大好きな妻!』は“発達障害”がある主人公のドラマです。発達障害がある女性と、一緒に暮らすパートナーの男性を実際に取材すると、2人が「大切にしていること」を話してくれました。
『僕の大好きな妻!』は、ももいろクローバーZの百田夏菜子さんが演じる発達障害がある妻と、その事実を知り、戸惑いながらも向き合っていく夫の「夫婦の幸せのかたち」をテーマにした物語です。
ドラマの原作は、人気漫画「僕の妻は発達障害」(1~4巻 新潮社バンチコミックス刊)。発達障害がある妻のナナトエリさんと、夫の亀山聡さん夫婦が、当事者の目線から、実体験を交えながら日常の様子を描いています。
作者・ナナトエリさん(妻):
「私たちの本質というか、何がみんなと違って何が同じなのかということが、(世の中に)驚くほど伝わっていないなと思ったんですよね」
作者・亀山聡さん(夫):
「こういうふうに嬉しいだとか幸せだとか辛いだとか立体的に感じてもらって、もうちょっと興味を持ってくれたらいいなという感じでいます」
見えない障害とも言われる発達障害。
広野ゆいさん、49歳。専業主婦だった31歳の頃、ADHD(注意欠如・多動症)とASD(自閉スペクトラム症)という発達障害の診断を受けました。
広野さん:
「今日は(夜ご飯)何にするんですか?」
松下さん:
「今日はもう簡単にできるもの、焼いたらいい感じのやつ」
広野さんのパートナー・松下さん。2人は発達障害の啓発などを行うNPO団体を運営しています。
広野さん:
「これをやって、これをやってる間にこれをやって…みたいことが主婦の仕事なんですけど、一個…例えばお湯を沸かすってなったらお湯を沸かすのをずっと見てたりとか」
特性上、同時に2つ以上の事を処理したり、片付けや段取りをすることが苦手。
広野さん:
「そんなの甘えだろ、言い訳だろ、みたいな感じで」
当時、夫からは理解を得られず離婚。シングルマザーとして2人の娘を育ててきました。
食材の管理や献立決めは松下さんの担当。広野さんは料理を一品だけ作るのに集中します。
暮らしの中で2人が大切にしているのは、互いを認め、尊重し合うこと。
松下さん:
「人間として尊敬できるところが、一番やと思うんですよね」
広野さん:
「やっぱり違うからこそ一緒にいるとうまくいくことってあると思うので。何かができるとかできないとかという話を超えて、一緒に生きていることを幸せに思えたらいいのかなと」
幸せなのは、自分を受け止めてくれる相手がいてくれるから…。
作者・亀山聡さん(夫):
「やっぱり幸せというのは、単純にしっかりと認めてくれる人が近くにいることだと思います。そういう存在がいてくれたら十分幸せなんじゃないかなと思います」