新型コロナウイルスの感染が急拡大し、街の診療所では発熱などの症状を訴える患者の数が急増しています。名古屋市の休日診療所には行列もできていました。

 24日、名古屋市瑞穂区の休日急病診療所。

(リポート)
「診療開始から15分程度が経ちましたが、既に敷地の外にまで待機の列ができています」

 車の列が周辺の道路にまであふれ、看護師らが車に駆け寄って対応します。

 診療所によると、24日に休日急病診療所に来た9割近くが、発熱やのどの痛みを訴え、検査待ち。この日は85人が受診し、3分の2にあたる56人に感染が判明しました。

 特に子供の患者が増えているといい、先週から対応に当たる医師を1人増やしたということです。

瑞穂区休日急病診療所の所長:
「(第6波の頃より)今の方が圧倒的に多いですね。お盆までは完全に医師も2人体制にしてスタッフも増員して、軽症の方は待てるのであれば次の日まで待って、いつも行っている開業医さんとかにかかっていただけると」

「第7波」といわれる急激な感染拡大によって、7月の3連休から一気に増え、自宅療養者も5万人を超えました。

藤田医科大学病院の岩田副院長:
「クリニックの先生たちは毎日、発熱で検査を希望される方たち、あるいは診察を希望される方たちの対応で、一日が終わらないというような大変さ。大変な場所もちょっとづつ変わってきている」

 こう話すのは、藤田医科大学病院の岩田充永副院長。現在の主戦場は「地域の病院である」としながらも、感染の急拡大で搬送される人が増えていると話します。

岩田副院長:
「熱で辛くて救急搬送が増えたり、小さいお子さんの搬送が増えたり、熱でけいれんを起こしたお子さん、そういう方たちが非常に多い。感染者が増えれば一定割合入院が必要な人たちが出てくる。それが毎日だいたい3〜4人入院してくるので、一旦縮小していたものを最大規模に戻している」

 病院では縮小していたコロナ患者用の病床を徐々に増やし、現在は44床に。今は26床が埋まっています。病床の数にはまだ余裕があるようですが、別の問題も起きていました。

岩田副院長:
「看護師さんだけで65人、他の職種も入れると80人近くの職員が出勤できていない。そういう点で医療を維持していくのが大変」

 コロナに感染したり濃厚接触者になったりして、出勤できない職員が急増しているのです。そんな中、医療従事者にも4回目の接種がスタートしました。

岩田副院長:
「僕は昨日打ちました。3回目と同等くらいですね、打った所が痛いと。熱は僕は出なかった。ワクチンも命に関わる重症化については、予防する効果は現在も保たれています。これはとても大切なことです」

 医療現場がさらにひっ迫しないよう、感染予防とともにワクチンの接種で「重症化予防」にも努めるべきだといいます。

岩田副院長:
「誰がかかってもおかしくない。かかった時にどれだけ自分へのダメージを少なくするかを、各自が考えなければいけないという段階だと思います」

※画像は藤田医科大学病院提供