愛工大名電高校・藤山航平選手が勝ち越し3ラン
<全国高校野球選手権愛知大会準決勝 愛工大名電7-4愛知啓成(岡崎レッドダイヤモンドスタジアム)>
7月28日、愛工大名電高校が愛知啓成高校を破り、2年連続で決勝進出を決めた。
9番捕手で出場した藤山航平選手(3年)は、去年の夏も2年生ながら背番号2をつけ、1学年先輩である当時のエース・田村俊介投手(現・広島東洋カープ)や寺嶋大希投手(現・NTT東日本)らと共に夏の甲子園を経験。
「去年は田村さん中心に引っ張ってもらい、甲子園に連れていってもらった。今年は自分中心でチームを引っ張って行きたい」と話す。
そんな藤山選手をはじめ、愛工大名電野球部には、この夏の大会にある特別な思いを持って臨んでいる。大会直前の6月、チームのムードメーカーだった瀬戸勝登(しょうと)選手(3年)が急死した。寮から一時帰宅していた際に自宅で倒れ、心不全だった。
「チームメイトが1人亡くなっていて、その子の分も、その子と一緒に甲子園出場するという目標がある」と明かしてくれた。
そして8回には、無死1・3塁のチャンスで藤山選手が右打席へ。空を見上げてからバットを構えた。真ん中低めの直球を振りぬき、打球はレフトスタンドへ。亡きチームメイトへ捧げる一発、そして勝利に導く勝ち越しの3ランを放った。
再び聖地へ…。7月30日に行われる東邦高校との決勝戦(岡崎レッドダイヤモンドスタジアム)を制し、チーム全員で甲子園への切符を掴み取る。
「勝てば甲子園ですけど、甲子園ということは意識せずに、1戦勝つことを目標にして頑張ります」