夏休み明けのこの時期に、学校生活などに不安な気持ちを抱える子供や若者に向け、名古屋の中心部でサポートが始まっています。

 名古屋市市中区の「久屋大通公園」。中部電力MIRAITOWERの北側に8月31日、夕暮れ時に設営されたのは、キャンプ場のようなフリースペース。

 その一角で談笑していた中学生ら5人の話題は…。

男子中学生ら:
「宿題やばいです、まだ終わってないです。一気に追い詰めなきゃって」
「勉強がつらい。1カ月後にテストがあるのでテスト勉強もしなきゃいけないし、来年は受験だし」

 翌日から始まる学校や宿題などについてですが、中には大人が1人…。

スタッフ:
「部活とか制限なく全然やれてる?(課題は)もう終わったんだよね?あれ、違った?」

 一緒に話していたのはこのフリースペースのスタッフで、若者の心のケアなどを支援する団体の男性です。

【動画で見る】夏休み明けの子供や若者向けフリースペースに集まる人の声

スタッフ:
「若者世代に多く来ていただいている印象があります。気軽に話していただけるような、そういった雰囲気で対応させていただいております」

 名古屋市が8月29日から開設したこのフリースペース。夏休みなど長期休暇の前後は、勉強や人間関係の悩みなどから若者の自殺が増える傾向があり、厚生労働省によると2020年は8月から9月に増していました。

 今回はあえて「相談」や「サポート」を前面に出さず、くつろげる場にすることで、気軽にスタッフと話してもらうのが狙いです。

女子大学生ら:
「公園で風を浴びようみたいな」
「めっちゃいいです、話しやすかったです」

女子高校生ら:
「こういう活動があるって初めて知ったので、意外と若者のことを思ってくれる大人の方もいるんだなと思いました」
「最近だとドン横っていう所があって、居場所のない子供たちが最近多いので、こういう場所があったらありがたいと思います」

スタッフ:
「心からゆっくり過ごしてもらえる、その中でコミュニケーションをとりながら、窮屈な思いとか悩みがあった時は相談してみようかなとか、こんな大人いるんだなっていうのを知ってもらえるような場所になればいいかなと思っています」

 このフリースペースは9月8日まで、平日の午後6時から9時まで開設されています。

 名古屋市では、仕事・学校関係の悩みから病気や子育てまで、幅広い悩みの相談について情報をまとめたサイト「こころの絆創膏」を開設していて、様々な相談窓口も紹介されています。

 中には、子供や保護者を対象にした「名古屋市子ども・若者総合相談センター」や、女性・男性それぞれに向けた窓口などもあります。