静岡県牧之原市の幼稚園で、3歳の女の子が送迎バスに置き去りにされ死亡した事故から2日が経ちました。その経緯が少しずつ分かってきました。

 置き去りを起こさないためにどうすればいいのか、名古屋の幼稚園を取材しました。

 名古屋市東区にある名古屋文化幼稚園。

(リポート)
「帰宅の時間帯となりました。園児たちが次々とバスに乗り込んでいきます」

 この幼稚園に通う園児はおよそ320人いますが、このうちおよそ200人がバスで通っています。

 今回問題となった「園児が下りたかどうかの確認」については…。

名古屋文化学園の加藤理事長:
「(子供は)座っていればもちろん運転席から見えるんですが、体調が悪かったり眠かったりして横たわっていたら、前から全く見えません。ですから教員は一番後ろまで下がって、まず子供たちの忘れ物がないかどうか、ずっと前に歩きながらチェックしていきます。その次に今はコロナの時代ですので、もう一度一番後ろまで行って、手すり等を消毒します」

 ダブルチェックのうえ、バスを倉庫にいれたあとにも運転手が確認する「トリプルチェック」の体制を敷いていました。

 さらに、デジタルの取り組みも取り入れていました。

加藤理事長:
「全部の園児の出席状況を、ここで把握することができています。たくさんの情報が一目で瞬時に分かるというのが、非常に有用だと思います」

 この園で導入しているのが「バスキャッチ」と呼ばれる有料のサービス。午前7時半までに保護者からアプリを通じて、その日バスを利用するのかどうかなどの連絡を受けることになっていて、モニターで一覧となって見ることができます。

 その結果を印刷したものをバスの運転手と担任に渡すことで、それぞれ漏れがないかをチェックしているということです。

加藤理事長:
「デジタルだけに頼ってもいけないし、アナログだけに頼ってもいけないというのは真実だと思います。子供たちの命が一番大事だということを、教員は常に心の中に思っていてほしいですね。運転手・教員・事務職の皆さんみんなで思いを共有することが大事だと思っています」