JR東海社長が静岡県庁へ…『リニア静岡工区』着工のめど立たぬ中でのトップ会談 両者の溝は埋まるのか
リニア中央新幹線は静岡県内の工事が始まらず、開業のめどが立っていませんが9月13日、JR東海の金子社長と川勝知事が静岡で会談しました。「トップ会談」で、進展はあったのでしょうか。
13日午後、静岡県庁を訪れたJR東海の金子慎社長。面会の相手は川勝平太知事。2年ぶりとなるトップ会談のテーマは、リニア中央新幹線です。
リニアは当初2027年に開業予定だった東京=名古屋間1都6県にまたがるルートを40分で結ぶ計画ですが、静岡県内の工事は始まっておらず、予定通りの5年後の開業は難しくなっています。
トンネル工事で静岡中部を流れる大井川の水量が減る恐れがあるなどの理由で、工事に「待った」をかけていた川勝知事ですが、2022年6月には…。
川勝静岡県知事(2022年6月):
「(リニア建設を)促進するつもりであると」
突如、「建設促進」の立場と表明しましたが、その後も発言は迷走…。
川勝静岡県知事(2022年9月7日):
「(先行開業の)可能性は8割方あると思いました」
神奈川県と山梨県にできる2つの駅を結ぶ形で先行開業すればよいと、新たな主張を打ち出しています。これに、JRやほかの自治体は困惑…。
JR東海の金子社長(2022年9月8日):
「ごく一部だけを拾い出して開業するということは、全く考えられないことです」
大村愛知県知事(2022年8月25日):
「どういうご発言をされるかは、この日本という国では自由でありますので。部分開業というのはあり得ない」
こうしたなか、JR東海側から申し入れる形で13日の面会がセットされました。
川勝静岡県知事:
「何年振り?」
JR東海の金子社長:
「前にお目にかかってから2年ちょっとですね」
早期着工・開業に向けて、溝は埋まるのでしょうか。およそ1時間15分にわたる非公開の面会を終え…。
川勝静岡県知事:
「部分開業についてでございますけれども、(金子社長は)『名古屋まで完成してから初めて意味がある』と繰り返されておりまして、私は『できるところ(山梨=神奈川間)からやったほうがいいんじゃないか』と」
JR東海の金子社長:
「私の方からは『部分開業という中間駅と中間駅を結んで開業することは考えていないんだ』と。(工事)着手について、具体的なコメントはいただけませんでした」