プロ野球のドラフト会議は10月20日です。東海地方の注目選手、最速150キロで文武両道、名古屋大学工学部の本田健悟投手を取材しました。

 150キロを超えるストレートと高い制球力が武器の本田健悟投手。地元・名古屋大学から、史上2人目のプロ野球選手を目指しています。

本田投手:
「10月20日までは、絶対プロだけを考えてやっていきます」

 現在は工学部電気電子情報工学科の4年生。卒業論文のテーマは「高速表示ディスプレイとローリングシャッターカメラを用いた可視光通信システム」。

本田投手:
「今からやるのは、この縞々の画像を交互に高速で点滅させて、それをこのカメラで撮って復調するという形で実験をしていきます。将来的には空港や街中にある広告、デジタルサイネージ、電子広告版みたいなところに、この情報(QRコードなど)を埋め込んだりして、スマートフォンのカメラをかざして実際に買ってみたいなと思った人がECサイトに飛べたりとか、他のサイトに飛べたりできるようなことを実現することを目的にしています」

 本田投手を指導する岡田准教授は…。

岡田准教授:
「いや本当は(研究を)続けてほしかったです。彼はそれだけの能力がありますので、正直言うと(研究室に)残ってほしかったですね」

 これに本田投手は…。

本田投手:
「ありがたいですね。こっち(研究)も好きですけど、本当に好きなのはやっぱり野球なので。野球をこれからも続けたいなと思っています」

 研究の道ではなく、あえて名古屋大学からプロへの挑戦を選んだ本田投手。そこには“先輩”の存在が…。

 3年前にドラゴンズから指名を受けて、名古屋大学史上初のプロ野球選手となった松田亘哲投手です。

本田投手:
「あまり名大だからプロに入るのは難しいとかは思っていなくて、逆に松田さんとかを見て思ったのは、元々の能力がなくてもそこから努力だったりとか、努力の方向性のおかげで積み上げてこられるんだなとびっくりしました」

 自分も松田投手のようにプロへ。明和高校時代はケガで思うように投げられず無名の投手でしたが、体づくりと投球フォームの研究で球速は20キロ上がり、最速は今や151キロ。

 春のリーグ戦では7試合に登板し6勝をあげるなど、プロ注目の投手となりました。

本田投手:
「ドラフトの結果がどうであれ、野球を続けて上を目指したいというのはあるので、今はそこに向けてという感じです。(ドラフトが迫って)こういう状況になると、すごい野球が好きだなというか、プロでやりたいなというのが改めてすごく実感して、やっぱり(野球を)続けたいですね」

 20日午後5時から始まるドラフト会議。史上2人目の名古屋大学出身プロ野球選手誕生となるのでしょうか。

本田投手:
「注目の種としてそれ(名大生)があるのは、うれしい部分でもありちょっと悔しい部分でもあるので。プロに入って、結果でそれを逆の驚きに変えられるように頑張りたいなと思います」