盆踊りなど日本伝統の踊り「風流踊(ふりゅうおどり)」が、ユネスコ無形文化遺産に登録される見通しとなりました。東海3県に伝わる踊りも含まれ、地元の人からは喜びの声もあがっています。

 岐阜県の夏の風物詩として知られる「郡上踊」。この郡上踊など、華やかな衣装で歌や太鼓などにあわせて踊る全国各地41の風流踊について、ユネスコの評価機関が無形文化遺産への登録がふさわしいと勧告し、事実上、登録内定となりました。

郡上市の人ら:
「光栄なことだと思います」

「すごいですねえ」

「地元の人たちも大喜びだと思います」

 400年以上の歴史を持ち、「日本3大盆踊り」の1つにも数えられる郡上踊。特にお盆4日間の徹夜おどりで、屋台を囲む踊り子の輪が幾重にも広がる光景は壮観を極めています。

郡上踊り保存会の藤田会長:
「感無量といいますか、思いもよらないことなので、ありがたいの一言に尽きますね」

 郡上市からは、市の北東部で伝わる「寒水の掛踊(かのみずのかけおどり)」も。郡上市の日置市長も期待感を示しました。

郡上市の日置市長:
「来年は今年以上に郡上踊も、できれば通常の開催日程に戻って、皆さんに存分に踊ってもらいたいと思っています」

 三重県伊賀市で江戸時代から伝わるとされる「勝手神社の神事踊」も登録の見通しです。「オチズイ」と呼ばれる花飾りを背負うのが特徴で、太鼓や歌に合わせて20人ほどの男性が踊ります。

 神社の総代長を務める山中茂和さん(73)は、市役所の職員から一報を受けました。

山畑勝手神社の山中総代長:
「めっちゃ嬉しくて、本当に手が震えて。踊りそのもののきれいさ、オンリーワンと言いますか、世間に類がないと思っております」

 明治時代には踊りの存続も危ぶまれましたが、地元の有志によって今まで伝えられてきました。

山畑勝手神社の山中総代長:
「世界に認められた踊りですので絶やさぬようにですね。必死で今に続けてくれた人がいる限り、我々も後世にそのことを言い伝えて頑張っていただきたい」

 このほかにも、愛知県豊田市に伝わる「綾渡の夜念仏と盆踊(あやどのよねんぶつとぼんおどり)」も、無形文化遺産に登録される見通しです。

 11月28日から開かれるユネスコ政府間委員会で、正式決定する予定です。