将棋の藤井聡太五冠がタイトル初防衛をかける竜王戦。七番勝負の第4局が京都で始まりました。勝てば初防衛に王手がかかる重要な一局ですが、藤井五冠は“あること”に悩まされていました。

 朝霧に包まれた京都の福知山城。この天守閣で、将棋界最高峰・竜王戦の第4局が始まりました。

 七番勝負はここまで藤井五冠(20)の2勝1敗で、勝てば初防衛に王手となる重要な一局。対する挑戦者で元竜王の広瀬章人八段(35)は、4年前の竜王戦で勝利したこの福知山城で巻き返しをはかります。

 先手は藤井五冠、戦型は角換わりでした。

 7日午後、福知山市に入った藤井五冠と広瀬八段。将棋ファンとの交流の場・前夜祭では…。

藤井五冠:
「電車も初めて乗る路線(JR山陰本線)で楽しく来ることができました。市内を一望できる所にあって景色も素晴らしいですし、歴史のある場所で対局させていただけるということで、とても楽しみにしています」

 鉄道ファンらしく福知山の印象を語った藤井五冠ですが、今回の対局であることに悩まされていました。

藤井五冠:
「対局中の食事に加えておやつ・ドリンク、合わせて30種類くらいのメニューがあって本当にどれもおいしそうで、対局前から思わず『長考』してしまいました」

 それもそのはず、福知山市は街を挙げてメニューを公募し、パンフレットまで作成。「勝負めし」10種類、「おやつ」12種類、「ドリンク」8種類と、これは長考必至。

 長考の末、藤井五冠が午前のおやつに選んだのは、地元名物・踊せんべいで粒あんを包んだ「福知山踊かさね」とフルーツ、そしてグリーンティーでした。

 広瀬八段が選んだのは、鍋型をしていて話題の「カツ丼プリン」で、カツの部分はスポンジケーキにパイ生地をまぶして作られています。

 地元の熱意もあり、食事やおやつにも注目が集まる竜王戦第4局。対局は現在、藤井五冠がややリードしていて、間もなく封じ手となります。