藤井聡太五冠がタイトル初防衛を狙う竜王戦の第4局。9日午後、挑戦者の広瀬八段が投了し、藤井五冠がタイトル初防衛に王手をかけました。

 9日朝も朝霧が立ち込めた京都の福知山城。将棋界最高峰・竜王戦の第4局は、中盤戦の佳境を迎えたところで2日目が始まり、挑戦者・広瀬章人八段(35)の封じ手が開かれ対局が再開しました。

 七番勝負でここまで2勝1敗、勝てば「竜王」初防衛に王手がかかる藤井五冠(20)は、9日は午前からペースを握りました。

 前日の8日、開催地の福知山市では…。

藤井女流初段:
「藤井竜王が頼まれた昼食の、こちらのメニューブックに載っているお肉料理をいただくということなんですけれども」

 現地の大盤解説会を行う折田翔吾五段と藤井奈々女流初段が、「勝負めし」をリポート。というのも…。

藤井五冠(7日の前夜祭):
「合わせて30種類くらいのメニューがあって本当にどれもおいしそうで、対局前から思わず“長考”してしまいました」

 福知山市では、街を挙げてメニューを公募。「勝負めし」や「おやつ」など30種類も取り揃えていました。

 藤井五冠が8日の昼食に選んだ『特選牛すき焼き定食』。そのお味は…。

折田五段:
「おいしすぎますね。めっちゃとろけて…。いや〜ここに来た甲斐がありました」

藤井女流初段:
「無言になっちゃうくらいおいしいです。止まらないです!味に夢中になりすぎて、むしろ局面を忘れてしまう可能性がありますね」

御肉料理 竹下の取締役:
「藤井さんに選ばれると思っていなかったんですよ、正直。変わりものを選ばれるイメージがあったので。時期的に寒くなると思ったので、なるべく温かくて元気が出るようなメニューを作ろうと考えました」

 また、広瀬八段が8日に選んだスイーツ店でも…。

アン・ドンプリのオーナー:
「うちの丼ぶりプリンを選んでいただいて、すごく光栄に思っています」

 一見、本物のどんぶりのような「カツ丼プリン」。カツの部分は、スポンジの周りに砕いたパイ生地をまぶして作られています。

アン・ドンプリのオーナー:
「カツ丼というキーワードになんとか食らいついてもらえたらなと。やはり勝負事なので『勝つ』という言葉が入った方が良いかなと思いまして」

 対局の盛り上がりとともに、開催地も活気づく竜王戦。対局は藤井五冠がリードを保ったまま、午後3時20分ごろに95手で勝利。対戦成績を3勝1敗とし、竜王のタイトル初防衛に王手をかけました。

藤井五冠:
「第5局まで2週間ほどあるので、その間にしっかり準備して、また状態を整えて臨みたいと思います」

 竜王戦七番勝負の第5局は、福岡県福津市の神社で行われる予定です。