12月18日、愛知県安城市内で起きた架線の断線により、東海道新幹線は約4時間にわたり運転を見合わせました。

<車内アナウンス>
「運転再開まで、今しばらくお待ちください」
「今後、車両の確認が必要になったため、次の三河安城駅で一時停車をいたします」

 18日午後、停車した新幹線の中で撮影された映像には、車内に響き渡るアナウンスのほか、照明が消え、トイレの水や空調が止まった様子が記録されていました。

 JR東海によりますと、東海道新幹線は18日午後1時ごろ、安城市古井町で停電が発生した影響で、一時、東京=新大阪間の上下線全線で運転を見合わせました。

 上空からの映像では、垂れてしまった架線のそばではしごをかけて復旧作業にあたる人の姿が確認されました。ダイヤの乱れは深夜まで続き、最大でおよそ4時間半遅れ、およそ11万人に影響がでました。

(リポート)
「運転再開から1時間半ほどが経った名古屋駅前ですが、タクシー乗り場には長い列ができています」

東京から来た男性:
「(元々の到着予定は)14時過ぎです。(実際に着いたのは)午後6時過ぎだから、4時間遅れです」

大阪から来た男性:
「(車内では)動けない状況でした。最終的にはずっと立っていましたね」

 東京と大阪を結ぶ大動脈の突然のストップで、帰宅できず、新幹線車両内の「列車ホテル」に宿泊する乗客もいました。

 JR東海によると、列車に電力を供給する「トロリ線」を吊り下げる「吊架線」が断線したことが停電の原因だといいます。

 せわしい師走の日曜日、その動きを止めてしまった今回の停電ですが、架線が切れて新幹線がストップしたのは、今回が初めてではありません。

 2010年1月に、横浜市で架線が切れて停電した影響で一部区間で運転見合わせとなり、通勤客や受験生などに影響が出ました。

 この時JR東海は、作業員がボルトを締め忘れてパンタグラフが外れ、架線を切断したため停電が起きたと説明しました。

 今回断線した吊架線は、6年前に設置され、今年4月の点検では問題がなかったということです。

 鉄道の安全面について研究している専門家は、「吊架線は鋼のワイヤーが細かく縄のように、数十本単位で束になっており、簡単に切れるようなものではない」としたうえで、「特定の箇所に何か異常な力が加わったのではないか」と指摘しています。