「成人の日」の9日、東海3県の各地でも20歳を祝う式典が開かれました。中には今回が最後の「20歳の式典」となった自治体もありました。

 成人年齢が18歳に引き下げられたことで、多くの自治体が「成人式」から名称を変更しています。名古屋市東区では「成人の日のつどい」として開催しました。

 コロナ対策をしていた去年と違い、座席の間隔をあけることなく約340人が着席しました。

東区・区政協力委員協議会の中野幸夫議長
「20歳を迎えられたこと、心からお喜びを申し上げます」

<山本昌さんからのメッセージ>
「未来に近づく、自分の夢に近づくために大事なこと、それは『今準備をしっかりしていくこと』」

【動画で見る】18歳では実感わかないとの声も…伊賀市で最後の“20歳の成人式” 来年以降18歳対象 市長「世界標準に」

 20歳の門出を迎えた若者たちに、今の気持ちを聞きました。

男性:
「大人になっちゃったなという感じがして、ちょっと寂しいですね」

「大人になって寂しい」という中学からの同級生3人組。「20歳になって一言!」をテーマにメッセージを書いてもらいました。

男性:
「日本一のTikTokerになります」

 この男性は4年前からTikTokにリズムゲームのプレイ動画を投稿していて、登録者数は16万人です。

別の男性:
「日本一のバンドマンです。最近やっとライブハウスが解禁されるようになってきたので、これから本格的に始めようと思います」

 大事な青春をコロナ禍で犠牲にしてきた世代ならではの一言でした。

 朝4時に起きて髪を仕上げてきたという女性は、「何事にもチャレンジ」です。

女性:
「コロナとかでマイナスな気分にならずに、何事もチャレンジしていきたいなと思っています」

 大学でダンスサークルに所属している女性は、コロナの感染拡大で大会の中止も経験しました。

女性:
「(将来は)バックダンサーになりたいです」

 岐阜県坂祝町では、式典終了後に出席者がヘリコプターに乗り込みました。

 節目の年に改めて故郷への思いを強くしてもらおうと、42年前から実施されているおよそ10分間のフライトです。

女性:
「きれいで感動しました。めったにできないし、自慢だと思います」

 三重県伊賀市では「20歳の成人式」が今回で最後となりました。

 2022年4月に成人年齢が18歳に引き下げられたことを受け、「18歳での成人式開催」を決定。当時高校3年生だった女子高生らが反対し、8000人を超える署名を集めて市長に要望書を手渡しましたが、叶いませんでした。

 8日、最後の「20歳の成人式」に参加した若者は…。

女性:
「成人って言ったら20歳のイメージが強くて。選挙権をもらったとしても、その他に何ができるっていう」

男性:
「節目と言いますかね。18歳といったらまだ高校生とか、心のモチベーションが違いますね」

別の女性:
「(18歳成人式は)ちょっとかわいそうかな。18歳で成人式をしている所も少ないし」

 18歳では成人としての実感が湧かないという声が多く聞かれました。これに対し、市長は「法律が変わったのに変更しない方が不思議」と話します。

岡本栄伊賀市長:
「20歳が大人っていうのはほぼ日本ぐらいのもので、世界的には18歳がほぼほぼ主流で世界標準になった。どうして他の市町村は法律が変わったのにそうしないのかということの方が、僕にとっては不思議」

 伊賀市では移行措置として、2023年3月に19歳、5月に18歳の成人式を実施します。2024年以降、受験や就職シーズンを避け、5月のゴールデンウィークに「18歳の成人式」を開催するとしています。