小児がんなど、命を脅かされる病気や障害の子供とその家族が楽しい時間を過ごすための場所、「こどもホスピス」の意義や必要性について考えるシンポジウムが18日、名古屋市中区で開かれました。

 シンポジウムは、こどもホスピスを愛知県内に設置しようと活動する「愛知こどもホスピスプロジェクト準備委員会」が主催し、オンラインも含めておよそ400人が参加しました。

 大阪市と横浜市でこどもホスピスが開設された経緯などが紹介されたのに続き、準備委員会のメンバーで、2021年に9歳の娘を白血病で亡くした愛知県江南市の安藤晃子さんが登壇し、自身の体験と共に病気と闘う子供本人や家族にとってリフレッシュすることができる場の必要性と支援を訴えました。

安藤晃子さん:
「付き添い者の心身に余裕がないと病気の子供が顔色を窺うという状況が作られ、子供に気を遣わせていることに罪悪感を感じます。今も病気と懸命に戦っている子供、そしてご家族が少しでもホッとできる、笑顔になれる居場所づくりに温かい応援、宜しくお願い申しあげます」

 小児がんなど命を脅かされる病気や障害の子供は、愛知県内だけでもおよそ1000人、全国ではおよそ2万人いると推計されています。

 こどもホスピスの建設や運営には多額の費用がかかりますが、楽しい時間を過ごすことを目的としたこどもホスピスは医療や福祉サービスの対象にはならず、公的な助成を期待しにくいのが現状です。

 愛知こどもホスピスプロジェクト準備委員会では今後、施設の建設に向けて寄付を募るほか、自前の建物がなくても実施可能な小児緩和ケアとして、プラネタリウム鑑賞や、貸し切りの銭湯で家族と入浴できる取り組みなどを実施することにしています。