ファンも気力と体力いる持久戦に…『叡王戦』藤井六冠が2度の千日手の末に勝利し3連覇「大変な将棋続いた」
将棋の藤井聡太六冠は28日に行われた叡王戦で、二度の「千日手」の末に勝利し、見事タイトル防衛に成功しました。3連覇達成に、激闘を見守った地元・愛知県瀬戸市のファンも歓喜に沸きました。
岩手県宮古市で行われた叡王戦第4局。藤井聡太六冠に挑戦したのは、岡山市出身の菅井竜也八段です。
菅井八段は早い段階から飛車を横に動かす「振り飛車」が得意戦法。今回のシリーズは持久戦になることが多く、藤井六冠も2勝1敗とはいえ苦戦を強いられていました。
第4局も両者譲らず、対局開始から2時間後、同じ局面が4回現れる千日手に。予想外の展開となりました。
愛知県瀬戸市ではパブリックビューイングが開催され、決定的瞬間を見ようと続々とファンが訪れました。
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ファン:
「最後の終局まで目が離せないと思っています。ギリギリの戦いになるんだろうと」
1回目の千日手指し直し局は、菅井八段がペースを握る展開でしたが、再び千日手に。
持ち時間がそれぞれ1時間足され、再開することになりました。瀬戸市でも「持久戦」を覚悟してか、受付にはおにぎりやお菓子が用意されました。
そして2度目の指し直し局。中盤以降は攻め合いとなり、見ているファンも気力と体力を奪われそうな激戦となりました。
誰もが長丁場の対局になるだろうと思っていましたが、最後は藤井六冠が素早い寄せで鮮やかに勝利。午後9時すぎ、シリーズ3勝1敗で防衛を決めました。
ファン:
「皆さんと一緒に喜びを分かち合うというのがぜひやりたかったので、よかったです」
藤井六冠:
「すごく大変な将棋が続いたなと思っている。課題を感じたところも多くあったので、それをしっかり受け止めて改善していければと思っています」
一夜明けた29日、地元・瀬戸市役所では…。
(リポート)
「職員の方が、昨日の叡王戦3連覇を祝してお祝いパネルを飾っています」
商店街では2度目のくす玉割りが行われました。
激戦の興奮冷めやらぬ中、藤井六冠にとってはご褒美ともいえるイベントが。岩手を走る三陸鉄道の一日駅長を務めました。
車両基地を見学し、さらには実際に車両を動かす体験も。鉄道が大好きな藤井六冠は、28日の激戦とは打って変わって、終始にこやかな表情でした。
藤井六冠:
「また明後日の名人戦第5局と続いていくので、良い状態で臨んで、良い将棋ができるように頑張っていきたいと思っています」
岩手の日程を終えた藤井六冠。次は七冠達成に王手がかかる名人戦第5局です。