7月28日、山形県米沢市の国道脇の歩道で、13歳の女子中学生がヘルメットをつけたまま自転車の横で倒れているのが見つかり、その後、死亡が確認されました。熱中症とみられています。

 この学校ではガイドラインで定められている「暑さ指数」の測定をしていませんでした。

 東海地方の学校について「暑さ指数」の扱いを調べると、教育現場ではジレンマがあることもわかりました。

 女子中学生は午前8時10分に自転車で登校し、8時半から部活動の練習に参加しました。この時は、20分〜25分おきに休憩を入れて水分補給をしていたということです。

 午前9時55分になって気温の上昇が予想されたため、本来11時までだった練習を1時間繰り上げて終了。

 女子中学生は10時半ごろ、1人で自転車で帰宅しましたが、そのおよそ30分後、国道沿いで倒れているのが見つかり救急搬送され、ICUで治療を受けましたが、夜に亡くなりました。

 この中学校はガイドラインで定められている「暑さ指数」の測定をしていませんでした。「暑さ指数」とは、気温や湿度などから危険度を数値化するもので、危険と判断される31以上で「運動は原則中止」、28−31でも「激しい運動は中止」などと定められています。この暑さ指数に基づいて、多くの学校が部活動を実施するかどうかなどを判断しています。

 暑さで有名な岐阜県多治見市は、独自のガイドラインを設けていて、暑さ指数が33以上になった場合、全ての小・中学校で「運動の即中止」と「下校時間の見合わせ」となっています。

 また暑さ指数が33以下でも、学校の判断で中止などの対応を積極的にしているということです。

【動画で見る】13歳女子中学生が部活動の後に死亡…学校側が測定していなかった『暑さ指数』とは 教育現場ではジレンマも

「学校判断」が実は多く、他にも名古屋市や岐阜市、三重県桑名市などが一様に、暑さ指数に基づいたガイドラインを用意していますが、国の指針をなぞったもので、具体的な対策は学校の判断に委ねられているということです。

 この「学校判断」については、現場ではジレンマもあるといいます。7月18日、名古屋市教委からすべての市立の小中学校や高校などに「クーラーがない場所での体育の授業を中止するよう一斉に通達がありました。

 この件について、名古屋市立の小学校の教頭を取材すると「市が一律の判断をしてくれることはありがたいが、市からの判断が出ないときに中止すべきなのか、どうすればいいのかわからない」という声が聞かれました。