「待っていたら皆津波に飲まれる」石川県珠洲市で被災した女性 避難先の三重県で能登半島地震の体験語る
能登半島地震で被災して石川県珠洲市から三重県に避難してきた女性が、津市内で当時の体験を語りました。
珠洲市から三重県に避難してきた刀祢春子さん(85)は18日、津市内で衣料品店の社員およそ20人に能登半島地震の体験を語りました。
刀祢春子さん:
「震度6の地震が来まして。孫が学校で習っておりまして、6人掛けテーブルの下に『おばあちゃん!ここ入ろう!』って言って。イスから落ちてしまって、今もここ(左腕)に黒いアザがあります」
刀祢さんの3階建ての自宅は1階部分が潰れ、当時、孫と2人でいた2階から靴も履かずに家を出たといいます。
近い将来、東海地方を襲うといわれている「南海トラフ巨大地震」。被災者だからこそ語れる教訓は…。
刀祢春子さん:
「震度5強の地震が昨年ありました。その時に6人家族なんですけど相談して、津波になったら人を待たずに自分だけ逃げようと。待っていたらみんなのまれてしまうから、自分の命を守る事が大事。どこに集まるか決めておこうと常々話していまして。(避難所の)4階に上がって見ておりましたら、津波がこう押し寄せてくるんです」
『いざという時は、自分の命が最優先』だという、刀祢さんが語るリアルな体験に、社員たちは真剣な表情で耳を傾けていました。
女性社員:
「涙が出てしまうくらい、心が苦しくなったりとか。そういうお話を聞かないと、なかなか自分事に置き換えられないところも正直あったので、今日来るかも、明日来るかもともっと身近に感じながら、心の準備をしておく」
別の女性社員:
「春子さんの思いを私がスピーカーとなって、家族だけじゃなくて友達とか職場とか、伝えられる限りの方みんなに伝えて、みんなで自分の命を守って生かしていきたいと思っています」
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