“金品あり”の方が昇任割合高く…名古屋市教委が教員団体から校長等への推薦名簿と共に金品受領していた問題
名古屋市教育委員会が複数の教員団体から、校長などに推薦する名簿とともに金品を受け取っていた問題で、金品の提供があった場合のほうが無かった場合に比べ、校長などに昇任する割合が高かったことがわかりました。
名古屋市教育委員会の人事を担当する部署が、複数の教員団体から校長などの推薦名簿とともに金品を受け取っていた問題で29日午後、調査チームが取りまとめた中間報告書が河村市長に手渡されました。
河村名古屋市長:
「教員の人事は全部教員だけで決めると。それが20年も30年もずっと続けられとった、恐ろしいことだわね」
長年、慣例のような形で続いていたとみられる金品の受け渡し。人事への影響はあったのでしょうか。
29日午後に提出された調査チームの中間報告によると、推薦名簿のうち、金品が提供された場合は名簿に記載された教員の昇任割合が29.7%で、金品の提供がなかった推薦名簿の昇任割合より8%近く高かったことがわかりました。
調査チームはこうした状態を把握したうえで「人事案を作成する担当者が、どの団体が金品を提供したかどうかなどを把握していなかったため、金品の提供で結果が変わったと認めるに足るものではなかった」としています。
また、人事案を市教委の幹部を務めていたOBに事前に見せる「内覧」が行われていて、その際の会合費に受け取った現金が充てられていたことを大きな問題と指摘しました。
調査チームの寺脇研座長:
「とにかく推薦名簿というのは、そのこと自体がよくない。そんなよくないことがずっとまかり通っていたのかというのが私たちの驚き。今後、こんなやり方じゃダメだからこんなふうにしなきゃダメだよということは、最終報告に向けて取りまとめていきたい」
調査チームでは今後さらに関係者へのヒアリングを進め、金品授受が始まった経緯や人事制度の改革案などを取りまとめるとしています。