
モーニング文化が根付く東海地方では、時代に逆行しているかのような信じられないコスパのお値打ちモーニングがあります。モーニング発祥の地とされる、愛知県一宮市の「一休(ひとやすみ)」は、日中は喫茶店、夜は居酒屋になる“二刀流”のお店です。
人気のモーニングは、コーヒーにボリュームたっぷりの5品がついてワンコインと、最強のコスパです。この金額で利益を出せるのは居酒屋の特性と、食材費を節約する愛される店ならではの理由がありました。
■モーニングの人気店は「夜は居酒屋」で魅力的なメニュー
愛知県一宮市の「JR一宮駅」から車で15分、木曽川近くの住宅街にひっそり佇む「一休」は、7年前にオープンした喫茶店です。
【動画で見る】たった500円…コーヒーにボリュームたっぷりの5品 喫茶店と居酒屋の二刀流「一休」 最強コスパモーニングのなぜ

店主の飯山功郎さんは62歳で長年勤めていたバス会社を脱サラし、自宅の1階を改装して、妻のさよ子さんと喫茶店を始めました。

この店の特徴は、モーニングだけでなく夜は居酒屋という「二刀流」です。

新鮮な刺身の盛り合わせ(1000円)や…。

ボリューム満点の鶏の唐揚げ(700円)。

野菜たっぷりの湯豆腐(700円)など、リーズナブルで魅力的なメニューが揃っています。
■コーヒーにボリューム満点の5品でワンコインの高コスパモーニング
オープンは朝の9時半で、モーニングを提供しています。
客:
「きょうで3回目。おいしいしお値段も安いし、ハマります」
コーヒーにボリューム満点の5品が付いて、500円のモーニングです。

メニューは日替わりで、ある日は里芋など野菜中心の煮物に…。

シーチキンとキュウリの中華風サラダ。

自家製の巻き寿司と…。

たっぷり具が入った出来立ての茶碗蒸し。

そして小皿に入ったミニラーメンもあります。

朝食の概念を覆すラインナップです。
■激安モーニング提供の理由は
この“最強コスパ”を実現しているのには、理由がありました。
店主の飯山功郎さん:
「うち見たらわかるでしょ、(客は)年寄りの人ばっかり、年金をもらっている人ばっかりやから、その人らからは(そんなに)取れない。500円が精一杯だと思うよ」

飯山さんによるとこの地域は高齢者が多いといい、お客さんの平均年齢は70歳以上です。年金生活のお年寄りから多くはもらえないと、この価格にしているということです。

また、2024年まではおかずが6品ありましたが、物価高でさすがに厳しいと2025年からは1品減らしたといいます。
■激安モーニングのための方法…「夜は居酒屋」を活かしたアイデア
この価格で利益を出している方法の1つに、「夜は居酒屋」という店ならではのメニューがありました。この店では、金額をプラスすればお酒を飲むことができます。

飯山さんの妻のさよ子さん:
「生ビール付きのモーニング、やっぱりここは居酒屋さんやから」
男性客:
「ここ来たら最低2杯は飲む」
朝から熱燗を楽しんでいる女性もいました。

通常のモーニングではほぼ赤字でも、お酒で利益を出すという居酒屋ならではのアイデアです。
■激安モーニングのための方法…「常連客の差し入れ」
モーニングをお値打ちに提供できる理由はもう1つあります。それは常連客からの「差し入れ」です。この日はもらったいちごが、そのままお客さんの元へ。

さよ子さん:
「きょうの巻き寿司の海苔とか。きょう麺類があるんですけど、麺もいただきもの」

モーニングについてくるラーメンの麺や野菜など、食材の多くが常連客からの差し入れで、それも料金を抑えられる1つの理由だといいます。

さよ子さん:
「野菜はだいたい(もらいもの)。大根、 白菜、芋類、サツマイモとかね、助かります」

お客さんのほとんどは仕事をリタイアした高齢者で、家庭菜園をしている人が多く頻繁に野菜をもらうため、価格に反映できるということです。
2025年2月20日放送