報告数多く処理追い付かず…愛知では統計を止める程増えていた『セアカゴケグモ』その特徴と発見時の対処法
愛知県一宮市の小学校の校庭で9月、毒を持つ「セアカゴケグモ」が見つかりました。セアカゴケグモの特徴と、見つけた時の対処法について調べました。
一宮市によりますと9月21日、市内の小学校の校庭で休み時間に遊んでいた児童が、鉄棒の支柱に、特定外来生物のセアカゴケグモがいるのを見つけました。見つかったのはオスとメスの成体あわせて2匹と卵2個で、教員が駆除しました。
一宮市では今年7月にも、別の小学校でメスの成体などが見つかっていて、学校では「見つけても触らないよう」指導しています。
セアカゴケグモはオーストラリアを中心に分布する毒グモで、特にメスの毒性が強く、その名の通り「背中が赤い」という特徴があります。
攻撃性はないものの、触ると噛まれることがあり、筋肉痛や頭痛などの症状が現れます。国内の死亡例はないそうですが、命の危険もあるということです。(国立環境研究所・東京都環境局より)
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日本ではこれまで、全国45の都道府県で確認されています。
愛知県では、2005年に中部国際空港の敷地内で初めて発見されましたが、東海3県にどれほど広まっているのか、各県庁に伺いました。
愛知では西部を中心に広がっていて、報告数が増えすぎて処理が追い付かず、2016年から統計をとるのをやめているということです。
岐阜では岐阜市を中心に南部で確認され、令和に入ってから2年半余りで、報告件数が100件を超えています。
三重は北中部を中心に、ほぼ全域に広がっているということです。
広がった理由について、有害生物に詳しいモリ環境衛生センターの森重樹さんは、海外から港に着いた輸入物資にセアカゴケグモが紛れ込み、トラックで各地に運ばれ、内陸にも現れるようになったと考えられるとしています。
ベンチの裏や自動販売機の下、住宅ではブロックやフェンスの隙間、エアコンの室外機の下など、人の膝より下に巣を作る習性があり、一般的なクモより下にいることが多いといいます。
繁殖能力は在来のクモと比べても強くはないものの、暗い所を好む習性があり、人目に付きにくく根絶が難しいので、少しずつ増えているということです。
もし見つけた場合には、絶対に素手で触らないこと。そして、一般的な殺虫剤で駆除することができます。しかし、セアカゴケグモの卵(正式には「卵のう」)は頑丈な袋状になっているため、殺虫剤が効きません。卵は二重にしたビニール袋に入れ、潰して廃棄すれば駆除できるということです。
東京では、「殺人アリ」とも呼ばれる「ヒアリ」がニュースになりました。尻にある毒針で刺されると焼けるような痛みがあり、海外では死亡例も出ています。一度定着すると根絶が困難といわれています。
日本でも2017年以降、18の都道府県で確認されていて、今年も東京や大阪で1000匹以上が確認されています。
東海3県では、特に名古屋港を中心に見つかっていて、去年は女王アリ含めて1700匹以上、今年も8月に数百匹が確認されました。