開業1年で4教室・会員数500人超…大人達も通う『バク転教室』クルリと回って叶えたい“それぞれの夢”
名古屋市天白区に、2020年8月にオープンした大人も通う「バク転教室」があります。コロナ禍に関わらず教室は、この1年で愛知と大阪に4店舗にまで拡大、総会員数も500人を超えるほど人気となっています。バク転教室を取材すると、そこには夢を叶えようと努力する大人たちの姿がありました。
■バク転できたらかっこいいな…初参加の体操未経験の男性
名古屋市天白区にある「バク転パーソナル教室」では、子供に交じって多くの大人がマット上で練習に励みます。
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午前10時、初めてやって来たという男性が…。体操の経験はなく、体も堅そうですが…。
会社員の男性(24):
「バク転できたらかっこいいなっていう気持ちはあります」
ストレッチをして、バク転に必要な動きの練習です。ジャンプに、倒立、ブリッジ。そして、バランスボールを使った空気椅子のバク転の基本の態勢から背筋と膝を伸ばしていきます。
40分ほどで、早くもバク転らしい形になってきました。
同・男性:
「結構、濃くやらせてもらったなと思って、すごくよかったです」
練習時間は1回50分からで、個人差はありますが平均8回ほど通うと、それなりの様にはなるといいます。
■腰の持病が悪化もケガや年齢に負けたくない…54歳からの挑戦
男性が多いかと思いきや、女性の姿も…。
会社員の女性(54):
「オリンピックとか見ていて、カッコいいなと思って。(橋本)大輝君のピシッと決めたあれが、すごく感動して…」
趣味は水上スキーや空中ブランコと運動神経は抜群ですが、5年前に腰の持病が悪化し手術。手術後は歩くのも精一杯だったといいます。
同・女性:
「人間あきらめなければいいんだって。ここから年老いて何もできなくなるのが…。何かできることをって…」
ケガや年齢に負けない…。54歳からの挑戦です。
■「おお、おっさんやるねみたいな」…生徒にバク転披露したい小学校の先生
お昼時、子供の隣で練習する男性が…。教室に初めて来た小学校の先生です。
小学校の教諭(44):
「学校で夜集まってレクみたいなものをするんです。その中で出し物があるんですけど、バク転やったら盛り上がるかなと」
野外学習がコロナで2年続けて中止に…。代わりのレクリエーションで、生徒にバク転を披露したいとこの教室を訪れました。
腰や太ももに思っていた以上に負荷がかかるというバク転。先生のそのモチベーションはどこからきているのでしょうか。
同・教諭:
「普段(生徒に)がんばれって背中を押すだけなので。コロナで我慢している子が多いので、おお、おっさんやるね、みたいな」
■コロナで仕事減ったプロのダンサーなどを採用…雇用にも一役買う「バク転教室」
指導するのは、「バク転パーソナル教室」の代表の谷俊太郎さん(29)。
小学5年から新体操に打ち込んだ谷さんは、大学時代にはインカレ4連覇、全国大会で3度優勝を果たした実力者です。
谷さん:
「バク転はパワーワードですが、教える教室は少ない。憧れのものというのを、ひしひしと感じますよね。仮面ライダーとかジャッキーチェンとか…」
バク転教室を開業してわずか1年で、愛知と大阪に4つの教室を開業。全会員数は500人以上にのぼります。そして、コロナで仕事が減ったプロのダンサーやパフォーマーを指導員として採用し、雇用にも一役買っています。
谷さん:
「コロナでライブはないし、テーマパークのショーも無いので…。バク転一つで人が自信に満ち溢れてくれるなら、仕事も人生もハッピーになるかもしれない…」
■職場の人間関係がうまくいかず…自信を取り戻すために「バク転教室」へ
午後7時。仕事帰りの人たちがやって来ます。33歳の女性にとって、この教室は仕事の悩みを紛らわす場所だといいます。
会社員の女性(33):
「職場の人とうまくいかなくなって…。人間関係で自信を失った時に、昔からできるようになりたかったバク転をできるようになったら、自信を取り戻せるかなと思って…」
主婦(48):
「(教員を)またやりたくなって…。採用試験を受ける中では最高齢の部類に入るけど、若い子たちに負けないように頑張ります」
48歳の主婦は、20年ぶりに再び小学校の教師を目指しています。
主婦:
「(全教科を教える小学校は)マット運動とか必要なので。子供たちの前で、技が披露できるようにできたらいいなと」
バク転は、大人たちをも魅了します。
■「小さい頃から無理だとあきらめていたのでうれしい」…40歳直前に叶った夢
39歳の自営業の男性は、以前は今より10キロほど太っていたといいます。
深津栄一さん:
「バク転は夢のまた夢の痩せていてかっこいい人がやるイメージだったんですけど。40歳直前で何か挑戦したいみたいな…」
成功目前まできていた深津栄一さん(39)。この日は補助を外して挑戦すると、見事成功。
指導する谷さん:
「いけました!ばっちりでした!素晴らしい、初ですね」
どんな景色が見えたのでしょうか…。
深津さん:
「景色は見えないです…勝手に回っている感じですね。実感がわかないです…」
そして、小学6年生の娘に“バク転”の動画を送ります。
深津さん:
「あ!既読が…。『すごーい、ママはすごいんじゃないと言っていたよ、まあまあかな(危ないから家でやらないでよ)』。まあまあ、いただきましたね」
家族に褒められて、パパはちょっぴり嬉しそう…。
深津さん:
「小さい頃からの夢というか、絶対無理だとあきらめていたことだったので、うれしいですね」
大人も憧れる「バク転」。教室には夢を叶えようと努力する人々の姿がありました。
※「バク転パーソナル教室」の初回レッスン料金(1人)は、50分4000円・80分7000円です。