コロナ下で木下大サーカスに入団…「舞台に立てて感謝」宣言明け初の週末公演 新人団員が実感した“幸せ”
「空中ブランコ」に、「ホワイトライオンの猛獣ショー」などで人気の「木下大サーカス 豊川公演」が、愛知県豊川市で開催されています。
サーカス団は、コロナの影響で長期の休業を余儀なくされ一時は苦境に立たされましたが、感染対策を講じながら公演を再開。久しぶりの公演に、大勢のお客さんから大きな拍手が送られています。
■心待ちの多くの客が来場…100年以上続く日本最大のサーカス団の久しぶりの公演
愛知県豊川市の八幡駅前の特設会場で開催中の「木下大サーカス」。創立119年を迎えた日本最大のサーカス団で、東三河地域での開催は30年ぶりとなります。この日は、50%の入場者数制限をしていた緊急事態宣言が明けての初めての週末でした。
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女性客:
「出歩くのが久しぶりなので。天気もいいし」
別の女性客:
「コロナがあったので、遠出ができなかったので。よかったね、緊急事態宣言も明けたしね」
新型コロナの影響により、2020年3月の金沢公演は、わずか3日でストップ。そのまま公演中止となり、以降サーカス団は約5か月間営業ができない状態が続いていました。
宣言が明けてもお客さんが戻ってこないのではないか…。不安を抱えての今回の公演でしたが、チケットの売れ行きは好調。サーカスを心待ちにしていた大勢のお客さんが、会場を訪れました。
■舞台に立てることは当たり前ではない…奮闘するコロナ下に入団した新人
フレッシュな気持ちでこの公演を迎えたのが、2021年4月に入団した河野菫(すみれ)さんです。入団してまだ半年の河野さんがサーカスに入ったきっかけは、幼い頃から続けてきたバトントワリングでした。
河野さん:
「アルバイトで働かせてもらったんですけど…入社したいなって。また舞台に立てるなら自分の限界に挑戦したいなって」
今はまだ裏方の仕事が中心ですが、いつかは空中ブランコに挑戦したいと、日々忙しくしています。
そして11時、いよいよ演目がスタート。地上10メートルにまで達する「七丁椅子」に、シマウマが曲芸を見せる「サファリスペクタクル」。「ジャグリング」では、会場から大きな拍手がわき起こります。
その頃、河野さんは、バックヤードで「妖精」をイメージした衣装に着替えていました。新人ながらショーのダンサーとしての役をもらっています。
5分間という短いプログラム。コロナ禍で、集まっての練習などが満足にできない中でしたが、それでも憧れてきたサーカスの舞台で無事役目を務めあげました。
河野さん:
「舞台に立てていることが当たり前ではないので、感謝の気持ちを忘れないで…」
舞台に立てることに感謝。コロナの時代にエンターテインメントに携われる幸せを実感しているという河野さんは、「見てくれる人たちに夢や希望を与えられるパフォーマーになりたい」と目を輝かせています。
■「ホワイトライオンの猛獣ショー」など久しぶりの公演に会場から大きな拍手
木下大サーカスといえば、「空中大車輪」に、名物「ホワイトライオンの世界猛獣ショー」。
さらにシマウマやゾウたちの愛らしい曲芸や、鉄球の中でバイクが走り回る「オートバイショー」も。
ダイナミックなパフォーマンスの連続に、会場からは大きな拍手があがります。そしてクライマックスは、サーカスの華「空中ブランコショー」です。見事に決まり、およそ2時間の公演が終了しました。
女性客:
「子供以上に大人がすごく楽しんじゃいました」
別の女性客:
「小さな頃に見た記憶を思い出して、やっぱりすごかったですね」
久しぶりにエンターテインメントを鑑賞した人たちも、大満足のようです。
木下大サーカスの木下唯志社長:
「ライブエンターテインメントのすばらしさ。少しでも子供たちの夢とか、感性とか、プラスになることになれば…」
コロナ禍で一時は苦境に立たされたサーカス団。まだ完全復活とはいえませんが、大勢のお客さんを前に、久しぶりのパフォーマンスを見せています。
「木下大サーカス 豊川公演」は、名鉄豊川線・八幡駅前の特設会場で12月5日(日)まで開催されています。