10月31日に実施された衆院選で、岐阜5区の新人女性候補・今井瑠々さん(25)は、自民党のベテラン候補に挑み、敗れはしたものの善戦しました。「政治に若者の声を」と訴え続ける姿は、若い世代の政治に対する意識に反響をもたらしています。

■自民党のベテラン候補に惜敗…投票日翌朝に街頭に立つ25歳の女性候補

 11月1日、朝6時のJR多治見駅前。岐阜5区から選挙に挑んだ今井瑠々さん(25)は、応援してくれた地元の人たちに感謝の気持ちを伝えていました。

【画像で見る】自民ベテランに挑んだ25歳今井瑠々さんの選挙戦

今井瑠々さん:
「(昨夜は)午前3時くらいまでかかりましたね、いろいろ。今日は(睡眠時間が)短いですけど、大事な御礼というか…」

女性:
「偉かったね、がんばった」

男性:
「がんばったね、もうちょっとだったね」

 選挙戦での健闘を労う人たちも。

女子高校生:
「応援していました。お疲れ様でした。カッコよかったです」

今井さん:
「ありがとう。これからも頑張るね」

 中には、歩み寄って握手を求める女子高校生の姿も…。少し前まで無名だった25歳の女性が、高校生にまで知られるようになったのは、選挙戦を通じてずっと若者に呼びかけ続けてきたからかもしれません。

■若い世代の声を政治や社会に反映させたい…衆院選に果敢に挑んだ若き女性候補

今井瑠々さん(10月31日):
「この度は私の力が及ばず、結果を出す事ができず、本当に申し訳ございませんでした」

 衆議院議員選挙で、今井さんは大臣経験もある自民党のベテラン・古屋圭司(69)さんに果敢に挑み敗れました。この結果を覚悟の上で選挙に臨んだのには、強い思いがありました。

今井さん(10月19日):
「若い世代を応援しよう。この社会を変えていこう。そのためには新しい力が必要だと、偉い人でも堂々と言えるような社会をつくっていかなければなりません。若い世代も、もっともっと参加しやすいように頑張ります」

 行く先々で、若い世代の声を政治や社会に反映させたいと訴えていた今井さん。

今井さん:
「私たちは変えていくんだと、変えられるんだと、声をあげていきましょう。皆さんと共に挑んでまいります。私、今井瑠々、全力で駆け抜けます」

 その背中を、幼馴染の加藤沙英さん(24)はずっとそばで見てきました。実は加藤さんは、ひと月前は政治への興味はさほどありませんでした。

同級生の加藤沙英さん:
「瑠々ちゃんみんなに親切だし、応援したくなるような人柄なので。瑠々ちゃんがやっているから興味持っているだけなので、(政治に興味は)持ってないです」

■女子高生から応援の声も…全力で頑張る姿勢が徐々に知れ渡るように

 選挙戦は体力勝負の厳しい戦いでした。

今井さん:
「私、今井瑠々、家族には政治の関係者はおりません。そして地盤も看板も、お金もありません。それでも志だけは誰にも負けません」

 候補者は1票を求めて、文字通り全力疾走の毎日です。その甲斐あって、選挙戦の半ばにはこんな話題も出るように…。

選挙スタッフ:
「高校生の女の子たちが、瑠々ちゃん見たら突然『キャー』やもん」

別の選挙スタッフ:
「アイドルやん、すごいな」

今井さん:
「びっくりしましたね」

 まっすぐに頑張る姿勢が、徐々に知れ渡るようになっていました。

■地域の未来をつくっていきたい…政治に若者の声を届けるため挑戦を続ける

今井さん(10月31日):
「ゼロからスタートした私を、ここまで支えていただきました皆さまの応援に、心より深く感謝申し上げます」

 12日間の戦いを終え、支援者に深々と頭を下げる今井さん。その姿をずっと間近で見てきた幼馴染の加藤さんは、ひと月前とは違う意識を政治に対して持つようになっていました。

加藤さん:
「本当に一人一人の1票は重たくて貴重で、それで自分の思いを伝える場で、政治も生活も変えられるんだと思いました」

 少しずつ、着実に思いを広げた今井さんが、これから目指すこと。

今井さん:
「この地域で生まれ育った若い世代として、地元の皆様とこの地域の未来をつくっていきたい。皆さんの命や暮らしを支える手伝いをしたい。学生さんで選挙権がない人たちの私への関心をすごく感じたので、少しでも関心を持ってくれた彼らに、もっと発信できることはあるんじゃないかと思っています」

 今後も国会議員を目指したいと話す今井さん。若い世代の声を政治に、社会に反映させるために挑戦を続けます。