もし電車内で事件起きたら…名古屋の地下鉄は「緊急停止せず駅まで走行し扉を開けます」各社対応に追われる
全国で走行中の列車内で事件が相次ぐ中、8日に各地の鉄道で訓練が行われました。もし事件に遭遇したらどうすればいいのか取材しました。
(リポート)
「車両からはスモークがでていますが、列車内で火災が発生した想定での対応訓練が行われています」
各地で相次ぐ列車での事件を受け、愛知県豊田市の愛知環状鉄道の車両基地で8日、列車内での事件を想定した訓練が行われました。
今年8月には東京・小田急線で「男が包丁を振り回し、10人が重軽傷」。
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10月31日にも東京・京王線で「男が乗客を刺して放火17人が重軽傷」。そして8日にも、熊本県内を走行していた九州新幹線の車内で、床に火をつけ燃やそうとした男が逮捕されました。
相次ぐ事件に鉄道会社は対応に追われています。
愛知環状鉄道の担当者:
「駅と駅の間で車外に脱出していただかなきゃいけないというような場合のはしご、こういったものは装備していますが、その他の様々な用具については今後の検討課題だと考えております」
8日の訓練は、走行中の車内で不審者がガソリンをまいた想定で始まり、列車が緊急停止、乗務員が乗客を誘導して避難させました。その後、消防隊員が放水するなどしました。
愛知環状鉄道の担当者:
「これからも事前の予防措置、何か発生した時の対応に一層力を入れて対処してまいりたいと思います」
訓練は岐阜県恵那市の明知鉄道でも。
乗客として座っていた男が袋から取り出したのは刃物。通報を受けた警察官が、男を車内で取り押さえるまでの手順を確認しました。
もし事件に遭遇したらどうすればいいのか。名古屋市営地下鉄の場合は…。
名古屋市交通局の担当者:
「まず私どもがお願いしたいのが、こちらの非常通報装置でボタンを押していただくと、乗務員と通話することができます」
まずは各車両に設置してある非常ボタンを押すことです。万一、話すことができない危険な状況でも乗務員が駆けつけます。
そして火災に遭遇した場合には…。
名古屋市交通局の担当者:
「こちら、消火器のシールの所に消火器が備え付けてあります」
車両に一つずつ消火器が椅子の下などに設置されていて、誰でも使うことができます。
また駅のホームには「さすまた」や「防護盾」を用意し、警察が来る前にも訓練を受けた駅員らが対応します。
京王線の事件では、緊急停止後にドアが開かず乗客らが車両の窓から脱出していましたが、名古屋市営地下鉄では…。
名古屋市交通局の担当者:
「緊急停止はしません。発車後に事が起きたとしても、1分もあれば次の駅に到着すると思いますので」
地下鉄では駅の間が2分間のため、走行中に事件が起きたとしても、次の駅で停車し扉が開くといいます。
名古屋市交通局の担当者:
「トンネル内は東山線・名城線は高圧電流が流れている関係で、車外に逃げる方がよっぽど危険です。次の駅で扉を開けて逃げていただくのが1番リスクが少ないのかなと」
全国で相次ぐ列車内の事件には…。
名古屋市交通局の担当者:
「今回のこういった事件は、名古屋でもいつ起きてもおかしくないと考えております。運転司令室・駅・運転が一緒になって、その時の対応方法も今後必要になってくると考えております」