『オミクロン株』はこれまでとどう違うのか…感染力・ワクチン効果・重症化リスク 現在分かっている特徴は
「オミクロン株」は、第5波以降、確認されるほぼすべての新型コロナウイルスが「デルタ株」に置き変わった中で突然現れました。
まだ詳しくは分かっていないオミクロン株ですが、気になるのは「感染力」「ワクチンの効果」「これまでの株と比べ重症化しやすいのかどうか」の3つです。
まず感染力については、8日に開かれた厚労省の専門家組織の会合で、「南アフリカではデルタ株を凌駕して増えている」という発言があり、「従来の株よりも感染力が強い可能性がある」と示唆しています。
また会合では、オミクロン株に感染した1人がほかの人にうつす人数「実行再生産数」は、デルタ株の4.2倍に上ると報告されています。
ワクチンの効果については、南アフリカのチームが「効果は弱まる可能性」を示す研究結果を公表しています。
一方で、ワクチンを製造する「ファイザー社」は、3回のワクチン接種で感染を防ぐ効果が見られたと発表しています。これはまだ初期段階の研究結果ですが、2回のワクチン接種ではそれほどオミクロン株に対する効果は見られなかったということです。
しかし3回の接種で、効果は2回目のおよそ25倍となり、これまでのウイルスと同じ程度、感染を防ぐ効果があったとしています。
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重症化のリスクについては、症状はそれほど深刻ではないという見方が広がってきています。
南アフリカの国立伝染病研究所が発表したデータでは、酸素投与や人工呼吸器を必要とする重症患者は入院患者のうちの3割ほど。オミクロン株が猛威を振るう前は6割から7割ほどの人が重症化していたということで、これまでの株と比べるとオミクロン株の重症化リスクは今のところ少ないといえそうです。